DIGにたどり着くまでの苦行
粗筋

爆弾魔が悪名を轟かす街ニューヨーク。場末のバーでバーテンと客が賭けを始めた。相手が唖然とする話が出来たら勝ち、というもの。客が話を始める。その後に待ち受けるものにまだ気づかないまま…。

感想

 惜しい!実に惜しい!
 原作はハインライン。夏への扉、月は無慈悲な夜の女王などが有名。
 監督はピーター&マイケル・スピエリッグ兄弟。デイブレイカーという映画で従来マイノリティーである筈の吸血鬼をマジョリティーにし、あまつさえ食糧問題を描いて見せた監督だ。

 ネタばれをしてしまえば「自己完結型のタイムトラベル譚」である。自分の行動が自分の過去に影響をもたらし、それが現在の自分の礎となる。余談だが私は高橋克彦という作家の作品でこの概念に触れた。何が惜しいかというと、その「ネタ」が割れてからが尻すぼみなのである。ネタバレが速すぎる。
 だが単なる設定SFものと軌を逸にするところはある。この監督は妙にディティールの表現に凝るところがある。先に上げたデイブレイカーでも、ヴァンパイアの生態、社会構造、生き延びた人間のコミュニティーなど、話の本筋とは違うところで妙に、面白さを感じるのだ。それは今作でも余すところなくいかされている。バーでの2人の打ち解けあいの言葉の応酬、時空警察の描写、宇宙飛行士の性処理係の選抜試験、キータームの伏線としての配置。そのどれもが、心地よい。
場面場面を作るのは上手いので、全体構成能力がこれから上がっていくことを期待。

粗筋

アメリカ大使館が爆破を受けた。愛国心に駆られた男、カイルは兵役を志願する。厳しい選抜試験を潜り抜け海軍特殊部隊ネイビーシールズに配属された彼は、スナイパーとしての類稀な才能を開花させ同時テロに端緒を発するイラク戦争へ出征する。四度に渡る派兵の中で彼は一六〇人以上の敵を殺し、味方からは英雄として、敵からは悪魔として畏れられるようになる。

感想

戦争に、英雄をもう一度。

イラク戦争への評価は時局により移り変わってきた。開戦直後は世界の警察の復権もかくや、と思えるほどの勢いであったが戦争が泥沼化して以降はベトナム戦争の後期を思わせる厭戦感が漂っていた。戦争を描く作品も、足並みを同じくして風合いが変化したように思う。
さて、今作であるが戦争に対して好意的に捉える作品と見る人が多いのではなかろうか。スナイパー映画の振れこみが強いが、地上戦、強襲戦、拠点防衛戦など様々なミッションをこなすカイルを巡る物語は、まるでFPSのゲームをプレイしているかのようなアクションの興奮を覚える。カイル自身は一兵士として仲間を守るために敵を殺すことに罪悪感を覚えないと繰り返し語る。物語に華を添える敵スナイパー、ムスタファとの幾度に渡るスナイプ合戦も、彼の「人」としての内面を見ることなく終わる。英雄にとっての一武勲に過ぎない。
ではそのような、戦争讃歌とも受け取られかねない描きは何故許されるようになったのだろうか。それは悲しみのプロセスが悲しみからの再起の段階に来たとも云えるし、ISISといった分かりやすい「世界の敵」の登場によるものかもしれない。感情の向かう先が違うにせよ、イラク戦争は歴史に織り込まれた。過去になった。

One murder makes a villain; millions a hero. Numbers sanctify
チャップリンの言葉である。殺人は罪深いものなのに、数が神聖化する。神聖化するのは大衆であるが、殺人の行為者はどうであったか。
デーヴグロスマンは自著『戦争における「人殺し」の心理学」の中で、殺人に伴うストレスの強度は、対象との距離で変化すると説いた。より近く、より直接的で、命を奪う感覚があるほど、心はダメージを受ける。スナイパーは指先ひとつで簡単に人が殺せる。だから冷血に100人も殺せたのか。そう思えるかもしれない。
だがグロスマンは同時に、人の死を「我が責ではないと『否認』できる」かどうかも大きなファクターだと云っている。銃殺刑は一人では行わない。電気椅子の死刑吏は複数人でボタンを押す。これらの殺人の否認とは、スナイパーは対極に位置する。狙い、撃ち、死ぬのを見届ける。カイルはその時を何を思ったのか。それは。


総評
皆劇場で見て確認しようね!
粗筋

デュポン御曹司が男囲っておいて殺す話

感想

淡々。それでいて目を背けたくなるような不気味さ。心を沈めたい人におすすめ。
好きな料理漫画3選
好きな料理漫画3選
好きな料理漫画3選
何時か書こうと思っていたネタ。

①信長のシェフ 原案:西村ミツル 作画:梶川卓郎 週刊漫画TIMES 芳文社
粗筋 現代から戦国時代にタイムスリップしたケンはその過程で記憶を失ってしまう。京の街で料理の腕で名をはせていた彼は上洛していた信長に拾われ、やがて歴史の表舞台に立つことになる。信長のシェフとして――。

感想 タイムスリップした若者が現代の知識で以て活躍、というのは数あれ、料理というのは特異。のみならず奇天烈な西洋料理で煙を巻くのではなく、戦、政治、華道などの視点も取り入れた料理で戦国の世を渡るというのも痛快。同じ信長ものでサンデーにもあるが、あちらは最近ずっと世情に流されて大名やってる感を覚えるのに対してこちらは人として立っている感がある。気がする。

美味しそうだと思った料理 つくねと大根の炒め飯のせ
足利15代を滅ぼす前夜ケンが出陣の飯として供したもの。400年前には食用ではなかった唐辛子が味の決め手。旨そう。

美味しくなさそうだと思った料理 なんか戦場で内臓焼いたやつ
日本初の職業軍人の織田軍と、旧弊の徴用された半軍半農の敵軍との戦いにおいて攪乱作戦のために用いられた。まあ料理ではないけんども。



②そばもん 監修:故藤村和夫氏(有楽町・更科4代目) 作:山本おさむ ビッグコミック 小学館
粗筋 稀代のそば名人の孫としてこの世に生まれた矢代稜。彼もまた生粋のそば職人の気質を備えていた。彼はさすらいのそば打ちとして全国を漫遊し、そば文化の素晴らしさを伝える。

感想 小学館お得意の料理漫画の一つ。料理漫画というと兎角「気持ち、思いが大事」という風潮が昔からある。それは批判されるものではないが、この漫画の特異な点は料理という文化に伝わる技術、伝統を芸術性すら薫らせる圧倒的な描写力を持って謳いあげているところだろう。その怜悧な姿勢は後述する美味しんぼ福島問題との対照性(134話)にも見える。
http://comic-soon.shogakukan.co.jp/blog/news/sobamon-comics15-comingsoon/

美味しそうだと思った料理 カツ丼
そば屋が発祥と言われるカツ丼。その誕生秘話?を面白おかしく書いた上下編。ほんと旨そう。

美味しくなさそうだと思った料理 桜そば
戦時中、身分の差から悲恋に終わった一組の男女。今では老いと病に精神が蝕まれ、死を待つだけの2人を、桜そばが手繰り寄せ、引き合わせる。ゆめ幻と消えゆく意識の中で、二人はもう一度ワルツを踊る――。まあただの蕎麦なんでね(情緒ゼロ)



③美味しんぼ 原作:雁屋哲 作画:花咲アキラ ビッグコミック 小学館
粗筋 天才芸術家海原雄山の息子、山岡士郎は普段はグータラサラリーマンだが、こと芸術と食にかけては親から受け継いだ素質と薫陶によって超一流。今日も社主や局長の無理難題、ふりかかる珍題奇題に立ち向かう。

感想 料理漫画でこれより有名なものはないだろう。よくもわるくも。
作中でダメ上司の典型として富井という男が居るが、彼はことある毎に口がもとで騒動を起こす。さて、「舌禍」にかけては雁屋先生を勝る漫画家など居ない。日本人は大江健三郎しかり、作品の評価に作者の素行、人格を投影するきらいがあるが、それを加味しても雁屋大先生は凄い。いろんな意味で。
・料理勝負中にいきなり「日本軍は戦時中に残虐非道を極めた!」と言い出す
・乳幼児に食わせてはいけないものを掲載→謝罪
・「オーストラリアは寛容!日本にいられっか!」で移住→現地で差別に遭い白豪論に支配されたオーストラリアについて話を書く
・カストリ雑誌で「これだけ酷い反日美味しんぼ」のようなムックが出される
・福島の放射能を必要以上に危険視する話を連載→抗議に対して「俺は2年みっちり取材したんだ!」→後で編集部が苦肉の謝罪
しゅごい。

美味しそうだと思った料理 おむすび勝負
東西新聞帝都新聞お決まりの至高究極対決。日本人の主食且つ日常食でありながらハレの日の食事もある握り飯を題材に戦いを繰り広げた。おむすびをコース料理に見立て、生活文化の折々を混ぜ込んだ流れにした究極側に対し、至高側は過去、現在、未来に見立て、未来で食の存続と環境問題を織り込み、加えて作り手として「母親」の存在を提示し、差をあけての勝利となった。
ところで現代っことしては口でほぐれるおむすびよりも、コンビニの機械がガチガチに固めたあのおにぎりの方が回数食ってる気はする。(情緒ゼロ)
パエリアおにぎりクッソ美味そう。

美味しくなさそうだと思った料理 佛跳牆(坊主も塀を飛び越えてやってくるぜ)
この世の旨いものなんぞ食い尽くした、と恬然とする老人に対し山岡が提示した一皿。なんか色々煮込みこまれててすんげー美味いそうだが美味しさが伝わってこなかった。鉄鍋のジャンでリアクション勉強して、どうぞ。


~~~

皆も料理漫画コメントしていってホラホラホラ(結論)
粗筋

幼い頃に科学者の父を亡くしたピーターパーカーは科学に長じた麒麟児であり、マスコミ関係の職を奉することを望んでいる。ある日彼は生前の父の朋輩であった科学者兼実業家の男を訪ね、その過程でミュータントタートルズになってしまう。超人的な力を手に入れたピーターパーカー。彼はその力で街の平和を守ることを決心する。時同じくしてあの実業家の男に不穏な気配あり。彼は毒ガスを街を睥睨するタワーから町中に散布し、世界を混沌に陥れようとしていた。急げ!パーカー!君に世界の明日がかかっている!

感想

あれ、これスパイダーマンだったかな?
粗筋は3割は嘘ですが、7割は本当です。スパイダーマンと流石に設定被りすぎてんよ^~。

制作にマイケルベイが関わっていると聞いてガラクタ置き場がもつれあってると評されるアクションが来るかとげんなりしましたが、そんなこともなくアクションは良好でしたね。衝撃の直後に入るスローモーション、飛び越すさまを下からぐるっと映すスローモーションなどベイらしさは随所にみられましたが、無駄な爆発シーンが無かったのは珍しいです。

カメが実写化されると聴き、グロテスクキなワモノになるのではと危惧していましたが、これまたベイらしい極彩色且つ明度の高い映像が適度の非現実感を齎すお蔭か、違和感なく見ることが出来ました。やっぱりベイくんの表現は…最高やな!

総評:アメイジングスパイダーマンくらいの面白さ(面白いとは云っていない)

実在への書き込みを打つ

オーラを予示する

自 殺 完 了 (予示オーラと同じ挙動を求められ、呪文を解決できないまま時間切れor投了)

良いバグだなと思いました。

2月の映画

2015年2月2日 趣味
6日 
チャーリーモルデカイ
詐欺絵画ディーラー?の冒険劇。ジョニデってこういうのばっかりっすね…。

7日
ミュータントタートルズ
マイケルベイ関わってるだけでクソ映画臭芬々っすね。

14日
フォックスキャッチャー
デュポン財閥の御曹司が起こした殺人事件を題材にしたミステリー。

21日
アメリカンスナイパー
巨匠クリントイーストウッド監督作。実在のスナイパーの自伝映画化。

28日
アナベル
死霊館の前日譚。

プリデスティネーション
イーサンホーク好き。
アニー

粗筋
孤児が拾われて家族形成

感想
知らぬ者は居ない原作に錚々たる名優を揃え、クソをぶち込んで残飯が出来ましたとさ。

オリバーツイストとかおしんみたいにしろとは言わないよ?でも貧困から登りつめる典型的なシンデレラストーリーなんだから、落差、苦境としての過去がないと。ミュージカルの過剰なまでの演技も相まって、躁じみた気味悪さを覚える。これと比べるとレミゼラブルの表現力が如何に卓越していたかが思い知らされる。人生は喜びしかない?そんな物語に魅力などあるのだろうか。

エクソダス

粗筋
出エジプト記

感想
淡々を通り越して無味乾燥。
十の災厄や葦の海のシーンは壮大なのだが…何も胸にときめくものがない。ドラマがない。

これ見に行くならベンハ―をビデオ屋で借りて見よう。

以上。





96時間3

粗筋
妻死亡

感想
邦題 96時間(意味不明)レクイエム
原題 taken(意味不明:今作では遂に誰も連れ去られないため)3
邦題も原題もこれもう分かんねえな…。

2よりは面白かったです(単品で面白いとは云っていない)。4は犬が連れ去られるらしいです。



パトレーバー7

粗筋
嵐が、来る。

感想
これは…予告編、じゃな?


粗筋

密入国者のテロが起きて狡噛さん犯人やんけ!

感想

面白くない。

①2期の存在感がまるでないこと
制作陣が1期にしがみつき過ぎているように思う。槙島、狡噛というキャラの人間性、それに付随するエンタメ性や人情模様に頼ってたことが明らかになってしまった。2期がサイバーパンク方向に行こうとして設定の薄さが露呈したことを考えればこの回帰は当然とも云えるんだけれども、2期の内容(キャラではなく)が少しでも盛り込まれていてほしかった。まあ制作が1枚岩ではないのが問題なのだが。
②シビュラ(社会)の成長が描かれないこと
これは2期からの不満なのだが、集団知たるシビュラが1期、2期、そしてこの劇場版を通じて進化しているように思えない。(当のシビュラ自身はことある毎に口にしているようだが…)シビュラを単なる四角四面に理論を追求するだけの悪者、と断じてしまうのは折角の設定を損ない、マンネリ化を生んでしまうのではないか。条理常理を至高とするからこそ、不条理に対応出来ない。それを常森朱音というイレギュラーが解決することで、「より良き社会」のためにトラブルシュートとして理の中へと組み込んでいく。これこそが映画の中で彼女の言っていた「歴史」なのであり、社会の成長であると思う。それを描かないで何を描くというのか。

以上。
ロボとか銃撃シーンの作画は良かったです。
粗筋

ナノハザード発生後の未来。人類の大部分はディーバと呼ばれる宇宙コロニー内で電子化され、ごくわずかの肉体を有した旧人類は地球で後退した文明を引き図云って生きていた。ある時期を境にフロンティアセッターを名乗る者からのハッキング事件が頻発。発信源が地球にあると判明し、担当官のアンジェラはガイドのディンゴと共に解決に乗り出すこととなる。

感想

良い意味で電脳系の設定が強く生きてない。良い意味でね。

 映像の方に先に言及すると、このアニメ映画は3DCGの技術で「如何に2Dアニメを作れるか」を志向した作品。ピクサーやディズニーが過去陥った「不気味の谷現象」を回避できるのは利点だと思う。(ざっくばらんに云うと、リアルに近づくにつれ、「非人間性」に意識が行って気持ち悪くなる状態。PS2時代のゲームのCG映像とか、なんか気持ち悪いじゃん?) 3Dのアクションは兎角くどくなるのが定例だけれども、今作は緩急がはっきりしていたのもポイント。「止まるところは止まる」。これってCGアニメでは稀有だよ。
 それでは内容へ。
 物語の出だしは典型的なサイバーSFの様相を呈している。肉体を捨てた新人類は感覚の束縛から解き放たれ、旧人類は未だ病気などの苦しみに囚われている。グレッグイーガンを彷彿とさせる階層社会の中で、成長した筈の新人類の一員たる主人公が旧人類との交流を通じて身体性(人間性)を回復していく。
 ところが中盤から捉え方が変化する。遥かに進歩した筈のディーバ内においては量に限りのある「メモリ」を如何に獲得するかに人々が躍起になり、自分の有用性を証明すべく出世合戦に血眼になっているというのだ。電脳系かと思いきや、資本主義批判の作品へと様変わりする。これが観客に受け入れられるのも若者の貧困化が叫ばれるようになったからか。
 もう一つの観方として、命、自我の描写が生・非生(≒フロンティアセッター)の2軸であり、生・死ではないのもなかなかに新鮮。電脳系としては兎角肉体を有することの最大の利点を次代の創造とするのが常道ではある。ところが今作はそれを描かない。生物の終焉たる死は描写されず(後半のアクションシーンでも「死」として描写されない。恐怖表現、怪我を描かないからこそ死への過程が想像できないようにされているのだ)、次代の創造(、要は性要素)が抜け落ちている。アンジェラのキャラデザはロリボインであり全編に渡りケツアニメなのだが、セックス・出産は何ら示唆されない。(悪漢が少女を囲んで只ナイフで刺しに来る展開など却って非現実的にさえ映る)「デモリションマン」のバーチャルセックス(基いリアルセックスへの回帰)と対比するとそのプレーンさが際立つ。
 総括するに、電脳系で従来描く強みのあるものを敢えて描いていないように見える。その新たな試みにあっても十分面白く感じられるところからも、地力の高さが感じられた。
 まあ萌えですよ!燃え!かわかわどどどバキューン!!ロボ×少女!



9日

劇場版サイコパス
はい。

96時間レクイエム 
takenを直訳しなかったツケというかなんというか。

10日

シンシティ2
モノクロ劇画9年ぶりの2作目。

パトレーバー7
遂にこれで終わりか…。

23日

ビッグアイズ
ティムバートン。

24日

アニー
tomorrow I love…

30日
エクソダス 神と王
期待大。

31日
REC4
最終章だよね?終わるよね?パラノーマル化しないでよね!?


粗筋

天才少年ヒロは特別な日に兄を失くしてしまう。失意の中、兄の遺したケアロボット、ベイマックスとの交流を通じて彼は成長を遂げる。
感想

 アニメ映画にしては珍しい作りかな?
 注目点として2つ。成長を描く物語としてはその度合が薄いこと、そして異種間の交流を描くものとしては、共依存していないこと。
 成長「しない」と云うと、少なからず反発があると思う。だが、ヒロは成長するというにはあまりにも完璧な存在だった。天才少年という設定に加え、随所に見せる行動力、主体性はベイマックスとの交流で培ったものというよりは、彼が既に身に着けているものに見える。特に「天才」の欠点として良く描かれる社会性の欠如及びその獲得、というものも今作には当てはまらない(しかも年上を従えるというのは非常に特異である)。
予告ではベイマックスの庇護者としての一面が強調ばかりされていたので、むしろヒロが先導する側であることに意外性を覚える。
 ヒロとベイマックスは互いに依存しない。ヒロはベイマックスを兄の投影であること、戦闘ロボット以上のものと見ないし、ベイマックスもヒロへのかかわりとしてケアロボット以上の接し方をしない(無論、二人の別れまでではあるが)。ちぐはぐな二人の交流、と言えば互いの欠損を埋め合い共に高め合うというのが定説であるが故に、こういうフラットな関係というのは新鮮だ。
 
 否定的な意見が続きましたが、AIの「story」の英語版がEDで流れたのにはたまげました。これは心が浄化されますわ。
https://www.youtube.com/watch?v=Gfinu7dQFj4

~~~~~

劇場で今年観た映画

◎:おススメ 〇:凡作 ×:ゴミ映画

1:大脱走 ×
2:TRICKラストステージ ×
3:アメリカンハッスル ◎
蛇の道はヘビ、騙し合いコンゲーム。コメディというよりは抒情豊か。
4:スノーピアサー 〇
5:大統領の執事の涙 〇
6:ホビット 龍に奪われた王国 〇
7:それでも夜は明ける 〇
8:ロボコップ ◎
旧作とはまた違う、人間性を問う佳作。
9:アナと雪の女王 〇
10:パトレーバー1 〇
11:ワールズエンド ◎
下品さと辛辣の中に、哀切さと郷愁の混じる、幾様にも取りうる映画。
12:アクトオブキリング 〇
13:アメイジングスパイダーマン2
14:プリズナーズ ◎
娘を愛する父親の狂騒劇。ミステリー映画としての完成度が高い。
15:パトレーバー2 〇
16:X-MEN future and past 〇
17:NOAH 〇
18:300 帝国の進撃 〇
19:トランスセンデンス ×
20:all you need is kill ◎
ループ系SFでは破綻なく、且つ映像も優れていた。
21:ダイバージェント ×
22:パトレーバー3 〇
23:想い出のマーニー 〇
24:ゴジラ 〇
25:るろうに剣心2 〇
26:into the storm ◎
POVとディザスタームービーを繋げ、且つ「死」以外で群像劇の体裁を取った画期的な作品。
27:パトレーバー4 〇
28:LUCY ×
29:猿の惑星2 〇
30:るろうに剣心3 〇
31:NY心霊捜査官 ◎
久しぶりに怖いと感じられるエクソシストものに出会った。
32:ファーナス ◎
人生が黄昏に染まっていく復讐劇。
33:フライトゲーム ×
34:パトレーバー5 〇
35:イコライザー 〇
36:ヘラクレス 〇
37:ドラキュラZERO ×
38:サボタージュ ×
39:フューリー ◎
戦争映画
40 インターステラ― ◎
映像が雄弁に物語るSF
41:パトレーバー6 〇
42:ホビット2 〇
43:ゴーンガール ◎
頭キリキリに逝かれた最高の昼ドラ
44:ベイマックス 〇

以上44作。ベスト5を選ぶとするならば
プリズナーズ(ジャンル:ミステリー、スリラー)
NY心霊捜査官(ジャンル;ホラー)
フューリー(ジャンル:ミリタリー、歴史)
インターステラ―(ジャンル:SF)
ゴーンガール(ジャンル:ミステリー、スリラー、風刺劇)

の5作ですかね。2015年も、素晴らしき映画に溢れる年でありますように。
粗筋

エイミーが失踪した。皆の羨望の的だった彼女は何故姿を消したのか。現場に残る違和感、証言の食い違いから、夫のニックに向けられた疑惑の眼はやがて確信へと変わる。謎が明かされた時、現実は真相を追い抜き無軌道な暴走を始める。

感想

見事。称賛以外の言葉が口から出てこない。今年1番。

この映画を傑作足らしめた要因として、作品を超えそのマーケティングの巧みさが上げられる。このトレーラー(曲が「ノッティングヒルの恋人」の「she」であるのがまたなんとも皮肉のエッジが鋭い!予告の終りのミスリードがこれまたなんとも)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm23334604
とこのポスター
https://www.google.co.jp/search?q=gone+girl&client=firefox-a&hs=gQ4&rls=org.mozilla:ja:official&hl=ja&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=DRWYVLfABYPLmAW8v4KABQ&ved=0CAgQ_AUoAQ&biw=1138&bih=530#facrc=_&imgdii=_&imgrc=vLDvkAo-Bfld5M%253A%3BJiCYtOHCfrog7M%3Bhttp%253A%252F%252Fmsmagazine.com%252Fblog%252Fwp-content%252Fuploads%252F2014%252F10%252FGone-Girl-2014-film-poster.jpg%3Bhttp%253A%252F%252Fmsmagazine.com%252Fblog%252F2014%252F10%252F03%252Fwhats-missing-from-the-gone-girl-debate-privilege%252F%3B600%3B450
を観て、誰があの内容を予想できようか。

 映画の前半はニックの視点に沿った失踪直後の風景と、エイミーの日記内での独白が交錯して展開される。完璧であるが故に、自分の間尺でしかものを計れない。倦み疲れた夫婦関係が徐々に破綻をきたしていく様が描かれる。
 謎が明かされる中盤。真相の提示で物語が終わるのであればこの作品は「佳作」止まりだったのだろう。だがそこで終わらない。「現実」がエイミーの手を離れ、暴走を始める。克明に提示される事象の奔流の激しさには、キングが思い起こされる。
 最終幕に至り、虚が実に入り混じる。振るうつもりのなかった暴力が起き、生まれる筈のない子を孕む。少女(girlhood)は去り(gone)、「エイミー」のみが戻った。現実は続く。自己欺瞞を止めるか、愛する妻の頭を開いて殺すその時まで。


粗筋

いかれた邦訳を紹介するぜ!「決戦のゆくえ」だ!原題はthe battle of the five armiesだ!この訳じゃあスマウグとの最終決戦かと期待しちまう!ところがスマウグは開始10分で死ぬ!ちなみにこの五軍とは人間、ドワーフ、エルフ、オーク、オークの乗り物の狼だ!え!お前ら軍勢扱いなの!?

感想

皆さんドワーフの名前を覚えられましたか?僕はキーリしか覚えられませんでした…。
正直指輪物語三作目のカタルシスには程遠い作りです。映像だけで凡作一〇〇作分くらいの価値はありますが、まあどうしても見ないといけないものではないと思います。
MOでモダマスドラフトが再開してるので各アーキ書き連ね。

①多色コン:強い
②青黒フェアリー:殴れる構成だとかなり強い
③青白親和:よほど組めないときつい。4マナ圏多すぎる
④緑白ファンガス:別名クソビート。ファンガス意識せずに普通のビートダウンとして組みそう
⑤赤青連携:断片ソートに頼り過ぎるとサイド後デッキ60枚にされて負ける
⑥赤白巨人:3マナ4/3と変わり身が肝
⑦白黒レベル:これもレベルとして組むというよりは、他のアーキに適当に突っ込む感じ?基本的に平和ナベサーチ
⑧赤黒ゴブリン:組めない。無理
⑨黒緑ドレッジ:組めません

これくらい…?カードパワー高いしかつアーキタイプ推奨ドラフトなので良い環境。


粗筋

ロシアマフィア+青春と詐欺の逃避行

後編がね、胸に来たね。
夢破れ、欺瞞と自己破滅にあっても青春の残滓に縋ろうとする心の弱さの描写がね…。どうにもね…。

スノッブ的には、レイモンドチャンドラーのフィリップマーロウシリーズが出てきたのは嬉しいところ。
To say Good bye is to die a little.
このa littleは「少しだけ」?それとも「わずかの間」?
どちらとも取りようがある。耽美耽美。
フューリー

粗筋
大戦末期のドイツ。タイピング技術を学んだ米軍新兵が配置されたのは戦車の銃座の前だった。死の責任と生の儚さ。戦場を目の当たりにした彼の精神は揺さぶされ、一人前の兵士へと成長を遂げる。300の精鋭SSを前にして、半壊の戦車「フューリー」と小隊員5人の結末や如何に。

感想
戦争映画としては近年最高の出来。ゆえに背水の陣を敷いてからの展開に違和感。
飛び散った「前任者」の肉片拾いに始まり、少年兵を逃したことから味方に犠牲を出したこと、戦場には不釣り合いな可憐な少女(音楽という「気品、教養を感じさせるものまで添えて!)との甘い情交と別離、最新鋭の敵戦車を落とすのにフューリー以外の自軍戦車が破壊されたこと。そこにはあっけないまでの死が存在していた。であるにも関わらず足を潰された戦車一基で「善戦」する姿は、聊か空寒さを覚える。まだ先に戦場入りした時の利を生かした策に相手を陥れるなどして描写があれば良かったのだが。

~~~

インターステラ―

粗筋
穀物は病葉に縮こまり、天地はかつえ塵埃が降り積もる。地球が終わらんとしていた。元宇宙飛行士の農夫クーパーは、異常現象が発端で再び宇宙への道を歩み出す。最愛の娘を残し彼が目指すは第2の地球。だがその旅路は余りに壮烈なものだった。

感想
懐かしい、まだ誰も知らない宇宙旅行へようこそ。今年最高の映画。

 序盤に展開されるのはSFお決まりの「地球がやばい」。だが、ノーラン監督の異常なまでの映像の拘りが、そこに現出された世界に現実感を与える(トウモロコシ畑を実際に作ったり、送風機で現実の砂嵐を発生させただとか.)。
 文明が衰退した世界では、宇宙船も「最新鋭」のものとは呼び難い。シャトルからステーションに移った際に見るのは薄汚れた船内。アンドロイドの不恰好な移動、ディスプレイに映し出される文字列の表現も、どこかノスタルジアを起こさせる。
 「彼ら(them)」の作り出したワームホールを抜けた先で、めぼしい探索先を議論する乗組員一同。そこここにSF用語が散乱する様も、一昔前の翻訳小説を読んでいるようで懐かしい。何時から、SFは映像だけのものになっていたのだろうか。
 山脈のような海。凍りつく空。事象の地平線。ノーラン監督は着想だけで満足しなかった。学者とアーティストを繋ぎ、科学考証に基づいた世界を作り上げた。その先でクーパーは、3次元の世界の先を見る。今まで提示されてきた謎が伏線として回収され、暗く閉ざされる筈だった未来が、新たに創造される。
 旅路へ向かう時のたった一つの望みを果たしたクーパー。しかし彼は次元を超える「愛」に突き動かされ、もう一度空へと飛び立つ。娘と彼女以外の女性を排した構成だからこそ、観客にも自然と受け入れられるのだろう。孤独の星へ降り立った彼女の元へ。かつて命を捨ててまで守ろうとし、いまわの際でも幻視した彼女の元へと。

古典派理論SFアーンド美麗グラフィック!!見よう!(結論)
12日
ゴーンガール

フィンチャー監督作、配偶者殺しを疑われた男の孤独な闘いを描く。

13日
ホビット 

正直惰性で見ている感はある。

20日
ベイマックス

ディズニー新作。比べてはいけないが、どうしてもニール監督の新作と被るなあ。

妖怪ウォッチ

まあ見ないんですけど、邦画アニメの歴史塗り替えるかもしれない前売りの売れ行きらしいですね。



こんな感じ。11月末が大作ラッシュだったので控えめですね。


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