何時か書こうと思っていたネタ。
①信長のシェフ 原案:西村ミツル 作画:梶川卓郎 週刊漫画TIMES 芳文社
粗筋 現代から戦国時代にタイムスリップしたケンはその過程で記憶を失ってしまう。京の街で料理の腕で名をはせていた彼は上洛していた信長に拾われ、やがて歴史の表舞台に立つことになる。信長のシェフとして――。
感想 タイムスリップした若者が現代の知識で以て活躍、というのは数あれ、料理というのは特異。のみならず奇天烈な西洋料理で煙を巻くのではなく、戦、政治、華道などの視点も取り入れた料理で戦国の世を渡るというのも痛快。同じ信長ものでサンデーにもあるが、あちらは最近ずっと世情に流されて大名やってる感を覚えるのに対してこちらは人として立っている感がある。気がする。
美味しそうだと思った料理 つくねと大根の炒め飯のせ
足利15代を滅ぼす前夜ケンが出陣の飯として供したもの。400年前には食用ではなかった唐辛子が味の決め手。旨そう。
美味しくなさそうだと思った料理 なんか戦場で内臓焼いたやつ
日本初の職業軍人の織田軍と、旧弊の徴用された半軍半農の敵軍との戦いにおいて攪乱作戦のために用いられた。まあ料理ではないけんども。
②そばもん 監修:故藤村和夫氏(有楽町・更科4代目) 作:山本おさむ ビッグコミック 小学館
粗筋 稀代のそば名人の孫としてこの世に生まれた矢代稜。彼もまた生粋のそば職人の気質を備えていた。彼はさすらいのそば打ちとして全国を漫遊し、そば文化の素晴らしさを伝える。
感想 小学館お得意の料理漫画の一つ。料理漫画というと兎角「気持ち、思いが大事」という風潮が昔からある。それは批判されるものではないが、この漫画の特異な点は料理という文化に伝わる技術、伝統を芸術性すら薫らせる圧倒的な描写力を持って謳いあげているところだろう。その怜悧な姿勢は後述する美味しんぼ福島問題との対照性(134話)にも見える。
http://comic-soon.shogakukan.co.jp/blog/news/sobamon-comics15-comingsoon/
美味しそうだと思った料理 カツ丼
そば屋が発祥と言われるカツ丼。その誕生秘話?を面白おかしく書いた上下編。ほんと旨そう。
美味しくなさそうだと思った料理 桜そば
戦時中、身分の差から悲恋に終わった一組の男女。今では老いと病に精神が蝕まれ、死を待つだけの2人を、桜そばが手繰り寄せ、引き合わせる。ゆめ幻と消えゆく意識の中で、二人はもう一度ワルツを踊る――。まあただの蕎麦なんでね(情緒ゼロ)
③美味しんぼ 原作:雁屋哲 作画:花咲アキラ ビッグコミック 小学館
粗筋 天才芸術家海原雄山の息子、山岡士郎は普段はグータラサラリーマンだが、こと芸術と食にかけては親から受け継いだ素質と薫陶によって超一流。今日も社主や局長の無理難題、ふりかかる珍題奇題に立ち向かう。
感想 料理漫画でこれより有名なものはないだろう。よくもわるくも。
作中でダメ上司の典型として富井という男が居るが、彼はことある毎に口がもとで騒動を起こす。さて、「舌禍」にかけては雁屋先生を勝る漫画家など居ない。日本人は大江健三郎しかり、作品の評価に作者の素行、人格を投影するきらいがあるが、それを加味しても雁屋大先生は凄い。いろんな意味で。
・料理勝負中にいきなり「日本軍は戦時中に残虐非道を極めた!」と言い出す
・乳幼児に食わせてはいけないものを掲載→謝罪
・「オーストラリアは寛容!日本にいられっか!」で移住→現地で差別に遭い白豪論に支配されたオーストラリアについて話を書く
・カストリ雑誌で「これだけ酷い反日美味しんぼ」のようなムックが出される
・福島の放射能を必要以上に危険視する話を連載→抗議に対して「俺は2年みっちり取材したんだ!」→後で編集部が苦肉の謝罪
しゅごい。
美味しそうだと思った料理 おむすび勝負
東西新聞帝都新聞お決まりの至高究極対決。日本人の主食且つ日常食でありながらハレの日の食事もある握り飯を題材に戦いを繰り広げた。おむすびをコース料理に見立て、生活文化の折々を混ぜ込んだ流れにした究極側に対し、至高側は過去、現在、未来に見立て、未来で食の存続と環境問題を織り込み、加えて作り手として「母親」の存在を提示し、差をあけての勝利となった。
ところで現代っことしては口でほぐれるおむすびよりも、コンビニの機械がガチガチに固めたあのおにぎりの方が回数食ってる気はする。(情緒ゼロ)
パエリアおにぎりクッソ美味そう。
美味しくなさそうだと思った料理 佛跳牆(坊主も塀を飛び越えてやってくるぜ)
この世の旨いものなんぞ食い尽くした、と恬然とする老人に対し山岡が提示した一皿。なんか色々煮込みこまれててすんげー美味いそうだが美味しさが伝わってこなかった。鉄鍋のジャンでリアクション勉強して、どうぞ。
~~~
皆も料理漫画コメントしていってホラホラホラ(結論)
①信長のシェフ 原案:西村ミツル 作画:梶川卓郎 週刊漫画TIMES 芳文社
粗筋 現代から戦国時代にタイムスリップしたケンはその過程で記憶を失ってしまう。京の街で料理の腕で名をはせていた彼は上洛していた信長に拾われ、やがて歴史の表舞台に立つことになる。信長のシェフとして――。
感想 タイムスリップした若者が現代の知識で以て活躍、というのは数あれ、料理というのは特異。のみならず奇天烈な西洋料理で煙を巻くのではなく、戦、政治、華道などの視点も取り入れた料理で戦国の世を渡るというのも痛快。同じ信長ものでサンデーにもあるが、あちらは最近ずっと世情に流されて大名やってる感を覚えるのに対してこちらは人として立っている感がある。気がする。
美味しそうだと思った料理 つくねと大根の炒め飯のせ
足利15代を滅ぼす前夜ケンが出陣の飯として供したもの。400年前には食用ではなかった唐辛子が味の決め手。旨そう。
美味しくなさそうだと思った料理 なんか戦場で内臓焼いたやつ
日本初の職業軍人の織田軍と、旧弊の徴用された半軍半農の敵軍との戦いにおいて攪乱作戦のために用いられた。まあ料理ではないけんども。
②そばもん 監修:故藤村和夫氏(有楽町・更科4代目) 作:山本おさむ ビッグコミック 小学館
粗筋 稀代のそば名人の孫としてこの世に生まれた矢代稜。彼もまた生粋のそば職人の気質を備えていた。彼はさすらいのそば打ちとして全国を漫遊し、そば文化の素晴らしさを伝える。
感想 小学館お得意の料理漫画の一つ。料理漫画というと兎角「気持ち、思いが大事」という風潮が昔からある。それは批判されるものではないが、この漫画の特異な点は料理という文化に伝わる技術、伝統を芸術性すら薫らせる圧倒的な描写力を持って謳いあげているところだろう。その怜悧な姿勢は後述する美味しんぼ福島問題との対照性(134話)にも見える。
http://comic-soon.shogakukan.co.jp/blog/news/sobamon-comics15-comingsoon/
美味しそうだと思った料理 カツ丼
そば屋が発祥と言われるカツ丼。その誕生秘話?を面白おかしく書いた上下編。ほんと旨そう。
美味しくなさそうだと思った料理 桜そば
戦時中、身分の差から悲恋に終わった一組の男女。今では老いと病に精神が蝕まれ、死を待つだけの2人を、桜そばが手繰り寄せ、引き合わせる。ゆめ幻と消えゆく意識の中で、二人はもう一度ワルツを踊る――。まあただの蕎麦なんでね(情緒ゼロ)
③美味しんぼ 原作:雁屋哲 作画:花咲アキラ ビッグコミック 小学館
粗筋 天才芸術家海原雄山の息子、山岡士郎は普段はグータラサラリーマンだが、こと芸術と食にかけては親から受け継いだ素質と薫陶によって超一流。今日も社主や局長の無理難題、ふりかかる珍題奇題に立ち向かう。
感想 料理漫画でこれより有名なものはないだろう。よくもわるくも。
作中でダメ上司の典型として富井という男が居るが、彼はことある毎に口がもとで騒動を起こす。さて、「舌禍」にかけては雁屋先生を勝る漫画家など居ない。日本人は大江健三郎しかり、作品の評価に作者の素行、人格を投影するきらいがあるが、それを加味しても雁屋大先生は凄い。いろんな意味で。
・料理勝負中にいきなり「日本軍は戦時中に残虐非道を極めた!」と言い出す
・乳幼児に食わせてはいけないものを掲載→謝罪
・「オーストラリアは寛容!日本にいられっか!」で移住→現地で差別に遭い白豪論に支配されたオーストラリアについて話を書く
・カストリ雑誌で「これだけ酷い反日美味しんぼ」のようなムックが出される
・福島の放射能を必要以上に危険視する話を連載→抗議に対して「俺は2年みっちり取材したんだ!」→後で編集部が苦肉の謝罪
しゅごい。
美味しそうだと思った料理 おむすび勝負
東西新聞帝都新聞お決まりの至高究極対決。日本人の主食且つ日常食でありながらハレの日の食事もある握り飯を題材に戦いを繰り広げた。おむすびをコース料理に見立て、生活文化の折々を混ぜ込んだ流れにした究極側に対し、至高側は過去、現在、未来に見立て、未来で食の存続と環境問題を織り込み、加えて作り手として「母親」の存在を提示し、差をあけての勝利となった。
ところで現代っことしては口でほぐれるおむすびよりも、コンビニの機械がガチガチに固めたあのおにぎりの方が回数食ってる気はする。(情緒ゼロ)
パエリアおにぎりクッソ美味そう。
美味しくなさそうだと思った料理 佛跳牆(坊主も塀を飛び越えてやってくるぜ)
この世の旨いものなんぞ食い尽くした、と恬然とする老人に対し山岡が提示した一皿。なんか色々煮込みこまれててすんげー美味いそうだが美味しさが伝わってこなかった。鉄鍋のジャンでリアクション勉強して、どうぞ。
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皆も料理漫画コメントしていってホラホラホラ(結論)
コメント
主人公自ら幻覚効果のある料理をするジャンと、同じく幻覚キノコを使った
一家乗っ取り騒動を解決するマオの対比はいいと思う。
あんなに巨乳成分がすさまじいジャンだけどあれの同人誌とかは見たことないな・・。
歴史物?かどうかは怪しいですがこちらも主人公らしからぬ主人公の
「最後のレストラン」もいいですよ、歴史上の有名人が死の直前に訪れて
主人公たちに色々難題を投げかけて、その代金に自分の持っている何かを渡すと
元の時代に戻る話。まだ代金を払っていないヒロインのジャンヌの今後はいかに・・
食卓のソーマは・・どうなんでしょうね?最初を読んでないんでわからない。
色物なら「ドカコック」とかいいですよ、出てくる料理も美味しそうで話もシンプルで分かりやすい。
ミスター味っ子は好きなんだけど、たまに怪しい料理がでてくるんですよね(花びら入りゼリーとか・・)あの作者は味っ子が終わったと思ったら、スシも2世を始めてるのが色々大変そう。
信長のシェスはドラマはちょっとひどかったですね、勝手な決め台詞は仕方ないとしても漫画のケンに、いっさい似せる気が無い(長身でない・ロン毛でない・確固たる自己啓示がなくナヨナヨな性格)のが特にひどかった。
漫画版なら、御前料理勝負のクレープがよかったですね、ソースに点火する絵は特によかったです。
長々と書きましたがm料理漫画はいいですよね!
初めて読んだときは何の疑いもなくジャンが敵役だと思ってました(たしか会場の消防用スプリンクラーをわざと作動させて、他の料理人の調理を台無しにしてた話でした。鬼か)
「蒼太の包丁」とか好きです
酒だろうがなんだろうが上司じゃなくとも首根っこひっつかんで「おら!酒のめ!」は傷害罪で一発なんだよなあ
>た
マジカルパンダ豆腐すき
>風
最後の~は友人に勧められたので買ってみます
ドラマの信長は…”戦国のキュイジーヌ”…
原作者の前で腹切って、どうぞ
>れ
でもジャンは料理に対する姿勢は人一倍ひたむきなんですよね。そこが好き
>も
料亭の料理人のサクセスストーリーでは味いちもんめなどもおススメです