粗筋

エイミーが失踪した。皆の羨望の的だった彼女は何故姿を消したのか。現場に残る違和感、証言の食い違いから、夫のニックに向けられた疑惑の眼はやがて確信へと変わる。謎が明かされた時、現実は真相を追い抜き無軌道な暴走を始める。

感想

見事。称賛以外の言葉が口から出てこない。今年1番。

この映画を傑作足らしめた要因として、作品を超えそのマーケティングの巧みさが上げられる。このトレーラー(曲が「ノッティングヒルの恋人」の「she」であるのがまたなんとも皮肉のエッジが鋭い!予告の終りのミスリードがこれまたなんとも)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm23334604
とこのポスター
https://www.google.co.jp/search?q=gone+girl&client=firefox-a&hs=gQ4&rls=org.mozilla:ja:official&hl=ja&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=DRWYVLfABYPLmAW8v4KABQ&ved=0CAgQ_AUoAQ&biw=1138&bih=530#facrc=_&imgdii=_&imgrc=vLDvkAo-Bfld5M%253A%3BJiCYtOHCfrog7M%3Bhttp%253A%252F%252Fmsmagazine.com%252Fblog%252Fwp-content%252Fuploads%252F2014%252F10%252FGone-Girl-2014-film-poster.jpg%3Bhttp%253A%252F%252Fmsmagazine.com%252Fblog%252F2014%252F10%252F03%252Fwhats-missing-from-the-gone-girl-debate-privilege%252F%3B600%3B450
を観て、誰があの内容を予想できようか。

 映画の前半はニックの視点に沿った失踪直後の風景と、エイミーの日記内での独白が交錯して展開される。完璧であるが故に、自分の間尺でしかものを計れない。倦み疲れた夫婦関係が徐々に破綻をきたしていく様が描かれる。
 謎が明かされる中盤。真相の提示で物語が終わるのであればこの作品は「佳作」止まりだったのだろう。だがそこで終わらない。「現実」がエイミーの手を離れ、暴走を始める。克明に提示される事象の奔流の激しさには、キングが思い起こされる。
 最終幕に至り、虚が実に入り混じる。振るうつもりのなかった暴力が起き、生まれる筈のない子を孕む。少女(girlhood)は去り(gone)、「エイミー」のみが戻った。現実は続く。自己欺瞞を止めるか、愛する妻の頭を開いて殺すその時まで。


コメント

tyler
2014年12月23日17:24

ゴーンは妊娠の意味もあるからね。そしてクレイジービッチって意味もw女性作家なのも面白いね。原作を改変してるけど

マイコロス
2014年12月25日21:56

to be very attracted to someone of the opposite sex:
o have beenpregnantfor five, six etc months

ほんまや!アリシャス!いつかこんな表現使えるようになりたいです!(どんな機会だ)

tyler
2014年12月26日10:58

フィンチャーの演出も見事だけど、脚本(原作は未読なので比較わからない)もようできてたよね。現代的というか究極のメンヘラだもんなあ。おっそろしいわ。

この意味で使うことめったにないよね、小説とかで見かけないし、俺も向こういたときにたまたまなんかの会話で聞いて知ったよ

マイコロス
2015年1月5日13:28

流石原作者さんが脚本書いただけありますなあ。

そしてこのgoneは寡聞にして全く知らなかったです。

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