ファーナス 訣別の朝 鑑賞 +10月の映画
2014年10月1日 趣味 コメント (2)粗筋
鉄鋼の街で実直に生きてきた男、ラッセルと、大望を抱く弟ロドニー。兵役後定職に付けずにいたロドニーが見出したのは拳闘の道。大金を稼ぐためにならず者との付き合いを選択してしまった彼は、帰り際に事件に巻き込まれてしまう。弟が死体で見つかった知った時、全てを失ったラッセルの取った行動とは。
感想
正直者は馬鹿を見る。真面目に生き(行き)過ぎた者は妥協を知らないが全てを背負うことになる。
ラッセルは、誠実で、一本気に生きていた。ただ、不器用だったのだ。父の代から働いてきた鉄工所はグローバリゼーションの煽りを受けて閉鎖が決まっている。父は仕事から体を壊し、病床に臥せっている。ラッセルは学がなく、この仕事以外につくことは出来ない。自動車事故での懲役後、恋人は他の男のものになっていた。これがアメリカの下~中層階級の姿なのだろう。しかし彼には希望があった。弟が居たから。
弟は兵役につき、そこで気の狂うような戦地の現実を見た。大義などない。武勲などない。後方支援の任にあっても、そこにあるのは生と死の境目を超えるような異常さだけ。共同体意識を持てないロドニーは、代わりに鬱屈さから精神を解放してくれる暴力の世界へと身を投じた。その先に死が待っているとも知らず。
ラッセルは弟の死後、仇を撃つために破落戸の頭目、デグロートを殺す決意を固める。この映画が他の復讐劇と違うことは、主人公の感情「表現」の乏しさにあるだろう。ラッセルは自分の感情を大っぴらに表現するのは好まない。子供のような無邪気な笑顔を見せる相手はただ一人。それがロドニーだったのだ。
仇に向かって引き金を引くただその時にあっても、ラッセルは表情を変えなかった。映画の幕引きのように溶暗を迎える人生の半ばで、彼は何を思ったのだろうか。彼の悲喜を分け合った弟は、もうどこにも居ない。
~~~~~
10月の映画
4日
アンダーザスキン
この邦題の「種の捕食」って、明らかに某エロ系SF意識だよね
18日
グレースオブモナコ
なんか英国王のスピーチと被る予告なんだよなあ
パトレーバー
なんだかんだ観てる
24日
ヘラクレス
ヘラクレスって英語の読みだとハーキュリーズなんだよね。字幕版で「ハーキュリーズ!ハーキュリーズ!」って言われてもヘラクレスだと気づけないから、これ邦題はヘラクレスじゃなくて「最強のひとり」とかで良いんじゃないかな?(すっとぼけ)
25日
イコライザー
これは逆に原題そのまんまだと何がなんだかだよね。まず「イコライザー」って言葉でどれだけ「equalizer」が想起できるか。更に言えば、銃の俗語である、ってことが分かる日本人って多分殆ど居ないんじゃないかな。副題とか付けた方が良かったと思う。
31日
ドラキュラZERO
面白そうだし見るのは確定なんだが、吸血鬼系(特に現代ものじゃなくて貴族が登場するものなんか)は、「始祖」概念を大事にするじゃんね。特にドラキュラ伯爵を始祖と崇めるものが多いのだけれど、今作はどういう扱いにするのだろうか。「ドラキュラ以前」を扱う作品のように、人類最初の兄弟殺しカインや、裏切りの使徒ユダに淵源を発するのだろうか?
こんな感じ。10月も目白押し!
鉄鋼の街で実直に生きてきた男、ラッセルと、大望を抱く弟ロドニー。兵役後定職に付けずにいたロドニーが見出したのは拳闘の道。大金を稼ぐためにならず者との付き合いを選択してしまった彼は、帰り際に事件に巻き込まれてしまう。弟が死体で見つかった知った時、全てを失ったラッセルの取った行動とは。
感想
正直者は馬鹿を見る。真面目に生き(行き)過ぎた者は妥協を知らないが全てを背負うことになる。
ラッセルは、誠実で、一本気に生きていた。ただ、不器用だったのだ。父の代から働いてきた鉄工所はグローバリゼーションの煽りを受けて閉鎖が決まっている。父は仕事から体を壊し、病床に臥せっている。ラッセルは学がなく、この仕事以外につくことは出来ない。自動車事故での懲役後、恋人は他の男のものになっていた。これがアメリカの下~中層階級の姿なのだろう。しかし彼には希望があった。弟が居たから。
弟は兵役につき、そこで気の狂うような戦地の現実を見た。大義などない。武勲などない。後方支援の任にあっても、そこにあるのは生と死の境目を超えるような異常さだけ。共同体意識を持てないロドニーは、代わりに鬱屈さから精神を解放してくれる暴力の世界へと身を投じた。その先に死が待っているとも知らず。
ラッセルは弟の死後、仇を撃つために破落戸の頭目、デグロートを殺す決意を固める。この映画が他の復讐劇と違うことは、主人公の感情「表現」の乏しさにあるだろう。ラッセルは自分の感情を大っぴらに表現するのは好まない。子供のような無邪気な笑顔を見せる相手はただ一人。それがロドニーだったのだ。
仇に向かって引き金を引くただその時にあっても、ラッセルは表情を変えなかった。映画の幕引きのように溶暗を迎える人生の半ばで、彼は何を思ったのだろうか。彼の悲喜を分け合った弟は、もうどこにも居ない。
~~~~~
10月の映画
4日
アンダーザスキン
この邦題の「種の捕食」って、明らかに某エロ系SF意識だよね
18日
グレースオブモナコ
なんか英国王のスピーチと被る予告なんだよなあ
パトレーバー
なんだかんだ観てる
24日
ヘラクレス
ヘラクレスって英語の読みだとハーキュリーズなんだよね。字幕版で「ハーキュリーズ!ハーキュリーズ!」って言われてもヘラクレスだと気づけないから、これ邦題はヘラクレスじゃなくて「最強のひとり」とかで良いんじゃないかな?(すっとぼけ)
25日
イコライザー
これは逆に原題そのまんまだと何がなんだかだよね。まず「イコライザー」って言葉でどれだけ「equalizer」が想起できるか。更に言えば、銃の俗語である、ってことが分かる日本人って多分殆ど居ないんじゃないかな。副題とか付けた方が良かったと思う。
31日
ドラキュラZERO
面白そうだし見るのは確定なんだが、吸血鬼系(特に現代ものじゃなくて貴族が登場するものなんか)は、「始祖」概念を大事にするじゃんね。特にドラキュラ伯爵を始祖と崇めるものが多いのだけれど、今作はどういう扱いにするのだろうか。「ドラキュラ以前」を扱う作品のように、人類最初の兄弟殺しカインや、裏切りの使徒ユダに淵源を発するのだろうか?
こんな感じ。10月も目白押し!
コメント
『ヘラクレス』はなんと公開ちょっと前に『ザ・ヘラクレス』まで公開して騙された方もいそうww
『イコライザー』は実はTVドラマリメイクなので、『ザ・シークレット・ハンター』を無理やりタイトル変えてるんですよね。あとなんとなく語感かっこいいから邦題変えなかったんでしょうなwすでに続篇が始動していますぜ
マジか…。