・パラノーマルアクティブティ3

何も書けないわ…。つまらないから興味が湧かないに格下げ。

・素敵な金縛り
粗筋
素人弁護士の主人公は、自分の担当する案件で「旅館で幽霊に金縛りにされた」と主張する被疑者を弁護することとなった。頭から信じない彼女は問題の旅館に宿泊するが、本当に幽霊が彼女の前に現れて…。

感想
今年の邦画の中では段違いに評価も売れ行きも良いので鑑賞。いやーなかなかに楽しめる作品だった。80点。
オーバーな演出、古典的なクセのある登場人物たち、後半部分での伏線回収。沢山のギャグと、ちょっぴりの泣き所。実に三谷らしい。
ただ難があるとすれば、「映画的」な映画じゃなくて、非常にドラマ的な映画なんだよね。これ。そのところかなり評価が分かれると思う。先ず上映時間が2時間半とかなりの長丁場。『2時間映画見てる間に用事を済ませな』という台詞が出てくるけど、これも最近の映画の短さへの皮肉かな?映画しか見ない人(自分みたいな)には苦痛に感じるかも。それと作りが10~20分くらいの場面展開のコマで細かくぶつ切りにされていて、映画の楽しさである「一貫性のある流れの中で、スピーディーに物語が進む」快感が潰されていたね。ただこれはドラマ派の人間には心地いい筈だから、そういう層には受けると思う。

格別良かったのは二つ。
一つ目は死をコメディーらしく結構軽く描いたところ。不謹慎厨が出る話題だけど、ぽっくり人が死んでその人の幽霊が出てくるシーンをあっさり出すところは好感が持てる。コメディーは大人の見るもんだし、「寝る前に忘れず締めよう親の首」(年がバレる)的なブラックユーモアはなかなか貴重。
二つ目。「泣く」シーンが悲しさではなく切なさであったこと。ここらはやっぱ恋愛ものだの病気ものだの臭ェ―三文芝居とは違う。ネタばれになるんだけど、幽霊を見ることのできる素質に、今不幸であることってものがある。で、最後主人公の前に幽霊が現れるんだけど、主人公には彼が見えずに幽霊側が訥々と話をし出すシーンがあるんだよね。「新米が立派な職業人になる」っていう日本人大好きな成長物語の中に、成長して失ってしまうもの、今の幸せで見えなくなってしまったものを描く辺り流石名監督だなあと思った。最後のエンドクレジットで主人公家族の写真に幽霊が移りこんでいるんだけど、そのどれにも気づいていない。幸せの裏に、忘れ去られていく寂しさを感じさせる秀逸な終わり方だった。(馬鹿観客の中には「幽霊まだこの世にいるしww」と笑っている人が居たけど…)

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読んだ本
44 空想東京百景 ゆずはらとしゆき 講談社BOX
呪詛の核が落ちて荒廃した東京。歪んだ歴史を歩んだ荒廃都市の中で、異能者が偽史を歩み出す。

45464748 伴世綺人伝 TOEIC新必修単語 TOEFLテストITPリーディング完全攻略 Simple Britain
教科書、参考書。

49 中国文学概論 塩谷温 講談社学術文庫
文体、詩の形式に始まり広範な中国文学の精髄を余すところなく紹介した快著。甚だ難解。

50DarkKisses SylviaDay Ellora’s Cave
海外の伝奇小説。日本の吸血鬼系作品は女が吸血鬼が殆どだが、海外は逆に男の方が多い。ゲイだからかな(偏見)

51 ファウストVol7 講談社
思考する自我と繋がる世界、という妄想の最後。

52 輝く金字塔 アーサーマッケン南條竹則訳 国書刊行会
人ならざるもの、自然の摂理にまつろわぬもの、邪悪の具現。ラブクラフトの愛した、ある無名詩人の紡いだ散文の数々。

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