粗筋

あらゆるものを地上から毟り取る巨大竜巻が現れた時、人は何が出来るのだろうか。
竜巻ハンターの一行、廃工場を撮影する少年、子供と上手く接することが出来ない父親、ユーチューバ―を目指す冒険ヲタク…。彼等のファインダーを通して、災害に巻き込まれ翻弄される人々の姿を描く。

感想

gravity以来の「劇場映画」の再来だ!シートにしがみつけ!

ディザスタームービーの極北たる「ツイスター」との大きな違いは3つ。POVを取り入れたことと、登場人物の層の豊富さ。そして、圧倒的なまでの臨場感。

ディザスタームービーでカメラ視点、というのは決して目新しくはない。ただ、POVを意識し過ぎるのが最近のトレンドであり、その視点は一人の登場人物の視点に集約されることが多い。その点この映画は複数の人間の視点にめまぐるしく入れ替わる群像劇に体裁を取ることにより、ドラマ性を増している。更に言えば、非POV映像も半分近く入っているから、POV特有の「酔い」であるとか「何をやってるのか分からない」ことに悩まされることもない。

2点目は地味ながらに、この映画の訴求層を増やすことを買って出ているのでは?ついスターと同じく竜巻ハンターが登場し、映像の多くを占めているのは事実。だが、アメリカ映画のテンプレの「家族の衝突と再結束」以外にも、ギークボーイの淡い恋、そして現代にしか成しえない「youtuberを目指すホワイトトラッシュたち」の描写がバラエティーを与える。ギークが作品序盤に撮った「25年後の僕達へ」の映像が、後半に効いてくるのもなかなかに渋い。これはPOVだからこそできた手法。

3点目は…劇場に行ってもらうしかない。gravityが3Dの限界に挑戦した映画だとしたら、今作は音響装置としての劇場、を認識させてくれる。胃の腑の奥まで熱くする地響き、耳を聾する爆音、全方位から迫る感覚。観客は、災害の只中に立たされるのだ。

広島がこんな状況でこういう災害映画をマンセーしてはいけないかとも思いましたがそんなことを云うと言論は封殺されてしまうので敢えて書きました皆見に行きましょう!


コメント

tyler
2014年8月25日11:13

おー、やはり楽しんでいただけましたな。私もはじめ、プロットと企画みたときは監督がアレなもんで、大丈夫かよとか思ってましたが、なかなかどうしてね。これは音響設備強い劇場で観たくなりますよね。

マイコロス
2014年8月27日2:43

音響さまさまですな本当に。
超巨大竜巻が出来た辺りの地響きの演出は圧巻。

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