観た映画 +今年の映画振り返り
2013年12月25日 趣味 コメント (2)ローマの休日(新午前10時の映画祭)
まあ語ることももうないよなあ。うん。
キャプテンフィリップス
粗筋
商船が海賊に襲われる。船員の機転もあり、一時は海賊を船外に放り出すように事が運ぶも、船長は海賊に人質に取られ、海賊と共に救命艇で海に放り出されてしまう…。
感想
おーん。まあリアルではあるが…。
前半はスリルアクションって感じ。船長は海賊を優しく諭す。船員は無線で連携を取り、ガラスを床に撒いて海賊の一人に大けがさせたり、機関室に一人で来た海賊の親玉を襲って逆に人質に取ったりする。
後半はフィリップスが人質として海賊の船に乗るんだが…。いかんせん前半との落差でダレる。物語がダレる。まあ実際にあった話をもとにしてるんだから、大げさなものはないんだけど、いかんせん緊迫感がないよねー。もはや自分の命が海賊側にとっての唯一の生命線なんだから、ぶっちゃけ殺されないことなんて見えてる。船長の勇気、機転、決断力で逆境を切り抜ける、って映画ではないです。予告に騙されないように。
ゼログラビティ―
粗筋
宇宙望遠鏡の修理任務に携わる宇宙飛行士たち。ロシアが行った衛星の破壊行動が思わぬ事態を引き起こし、彼らは自分の宇宙船を失ってしまう。1時間半毎に秒速7キロの破片群が地球を巡る中、彼らは無事地球に帰還できるのか。
感想
タイラー兄貴のおススメなので見てきました。
映像はやっぱり3Dで見てよかったね。うん。予告で一番おいしいところ使ってるから、映像としてはアレが一番迫力あるけど、破片群がバンバン向かってくるところは緊迫感に満ちてる。思わず避ける動作してしまう。
内容は、「命」と「難局にあっても、希望を捨てず対処していく意志」を全面に押し出したつくりだったね。後者は前者にかなり付随してる部分があるけど。
・中国のスペースステーションに到着して、宇宙服を脱ぎ捨てて膝を抱えて浮かぶシーン→胎児のイメージ。それ以前の宇宙船から逃れて、スペースステーションに向かう旅は受精とかのイメージ?
・ステーションが火事で破壊され、船外へ→出産のイメージ?
・脱出ポッド内で中国の無線をキャッチした際、赤ん坊の泣き声が向こうから聞こえてくる
・地球帰還後、海から出る際にカエルが見える(両生類→海から陸へ上がることの進化の暗示)
・そして陸についたとき、土を手で握りしめ、その後しっかりと両足で立ち歩き出す(初めて丘に上がった魚、イクチオステガのイメージからひれではなく手→陸生生物への進化のイメージ、そして両足で立つことでサルからヒトへの進化のイメージ、と進化の過程を描いている)
こうやって物語を通して、生命が誕生することと、生命が進化して、次代へ受け継がれていくことをイメージさせているように思う。反復説における「個体発生は系統発生を繰り返す」のイメージ。この言葉の意味は、生命の誕生は、生命の進化の歴史を辿るような姿を見せる、ってことね。
命には勿論終わりがあり、それは娘の死であるとか、仲間の死によって裏付けられる。しかし逆に彼らの死が、自身に命の意味を教え、難局を乗り越える際の心の原動力になる(娘に対して「もうあきらめない」というところ、及び中尉の幻想が見え、彼の幻想が自分に語りかける言葉のお蔭で、燃料のない脱出ポッドにいるという絶望的な状況下で希望を見出すところ)。
生命讃歌ですなあ。1時間半の映画でこれだけ心が豊かになれたのは久しぶり。
それを考えると、原題の「gravity」は「重力」って意味じゃないね。ゼログラビティ―、なんて冒涜的なタイトルをつけた翻訳担当は、腹を切って制作陣わびるべきなのではないでしょうか。
まあ語ることももうないよなあ。うん。
キャプテンフィリップス
粗筋
商船が海賊に襲われる。船員の機転もあり、一時は海賊を船外に放り出すように事が運ぶも、船長は海賊に人質に取られ、海賊と共に救命艇で海に放り出されてしまう…。
感想
おーん。まあリアルではあるが…。
前半はスリルアクションって感じ。船長は海賊を優しく諭す。船員は無線で連携を取り、ガラスを床に撒いて海賊の一人に大けがさせたり、機関室に一人で来た海賊の親玉を襲って逆に人質に取ったりする。
後半はフィリップスが人質として海賊の船に乗るんだが…。いかんせん前半との落差でダレる。物語がダレる。まあ実際にあった話をもとにしてるんだから、大げさなものはないんだけど、いかんせん緊迫感がないよねー。もはや自分の命が海賊側にとっての唯一の生命線なんだから、ぶっちゃけ殺されないことなんて見えてる。船長の勇気、機転、決断力で逆境を切り抜ける、って映画ではないです。予告に騙されないように。
ゼログラビティ―
粗筋
宇宙望遠鏡の修理任務に携わる宇宙飛行士たち。ロシアが行った衛星の破壊行動が思わぬ事態を引き起こし、彼らは自分の宇宙船を失ってしまう。1時間半毎に秒速7キロの破片群が地球を巡る中、彼らは無事地球に帰還できるのか。
感想
タイラー兄貴のおススメなので見てきました。
映像はやっぱり3Dで見てよかったね。うん。予告で一番おいしいところ使ってるから、映像としてはアレが一番迫力あるけど、破片群がバンバン向かってくるところは緊迫感に満ちてる。思わず避ける動作してしまう。
内容は、「命」と「難局にあっても、希望を捨てず対処していく意志」を全面に押し出したつくりだったね。後者は前者にかなり付随してる部分があるけど。
・中国のスペースステーションに到着して、宇宙服を脱ぎ捨てて膝を抱えて浮かぶシーン→胎児のイメージ。それ以前の宇宙船から逃れて、スペースステーションに向かう旅は受精とかのイメージ?
・ステーションが火事で破壊され、船外へ→出産のイメージ?
・脱出ポッド内で中国の無線をキャッチした際、赤ん坊の泣き声が向こうから聞こえてくる
・地球帰還後、海から出る際にカエルが見える(両生類→海から陸へ上がることの進化の暗示)
・そして陸についたとき、土を手で握りしめ、その後しっかりと両足で立ち歩き出す(初めて丘に上がった魚、イクチオステガのイメージからひれではなく手→陸生生物への進化のイメージ、そして両足で立つことでサルからヒトへの進化のイメージ、と進化の過程を描いている)
こうやって物語を通して、生命が誕生することと、生命が進化して、次代へ受け継がれていくことをイメージさせているように思う。反復説における「個体発生は系統発生を繰り返す」のイメージ。この言葉の意味は、生命の誕生は、生命の進化の歴史を辿るような姿を見せる、ってことね。
命には勿論終わりがあり、それは娘の死であるとか、仲間の死によって裏付けられる。しかし逆に彼らの死が、自身に命の意味を教え、難局を乗り越える際の心の原動力になる(娘に対して「もうあきらめない」というところ、及び中尉の幻想が見え、彼の幻想が自分に語りかける言葉のお蔭で、燃料のない脱出ポッドにいるという絶望的な状況下で希望を見出すところ)。
生命讃歌ですなあ。1時間半の映画でこれだけ心が豊かになれたのは久しぶり。
それを考えると、原題の「gravity」は「重力」って意味じゃないね。ゼログラビティ―、なんて冒涜的なタイトルをつけた翻訳担当は、腹を切って制作陣わびるべきなのではないでしょうか。
コメント
映画好きはショットの難解さやモチーフの読解を楽しめるし、ハリウッド大作を見に来た人はエンタメとして楽しめるし実に多次元的に楽しめる作品で素晴らしいですよね。無駄のないコンパクトな作りも見事。リアルさにこだわりながらも、本来ならば出来ることのない涙の粒を故意に表現し、その粒の中に表情を映しこむといったファンタジックな演出も盛り込んでいる所はうなりますね。『グラビティ』は本来、重力って意味よりも、事の重大さや罪の重さを意味する言葉。その意味を狭め『ゼロ』をつけてしまったのは余計だったでしょうね。だって、足るを知るを知らない人間の傲慢さを描き、そして結果招いてしまった逆境が人を象るってことを描いているわけですから。わたしは初回見てたときはロングショットばかりに見惚れ、マイコロスさんの書いているようなモチーフにまで気が回ってませんでしたw
私は逆に涙の粒の中に表情を落とし込む、って技法気づいてませんでした。目ざとし。