風と共に去りぬ グランドイリュージョン観賞 +11月の映画
風と共に去りぬ グランドイリュージョン観賞 +11月の映画
風と共に去りぬ

粗筋
南部の農場主の娘、スカーレットは目もくらむような美貌と、情熱に燃える魂の持ち主。同じく上流階級の青年アシュレーに焦がれるものの、彼はいとこのメラニーとの婚約をしていた。南北戦争に突入し、めまぐるしく環境が変化していくジョージア、タラの地でたくましく生きていく。

感想
いやー名作。まさに古き良き南部、を味わせてくれる。
2部構成で1部は貴族の家に生まれたスカーレットの華々しい人生と南北戦争勃発について。戦争以前は自分に従えないものなどない、とばかりに傲然としたスカーレットが恋に燃え、アシュレーに振り向いてもらえずともいつか彼の心を射止めてやるぞ、とばかりに華やかな生活を送り続ける。ここで出てくる洒落者のバトラーも非常に気風の良い好青年で、アシュレーとは毛色は違えども、紳士である。
2部は戦争で荒廃し、財産も北軍にむしり取られて零落したタラの地を、何とかして盛り返そうと、ある時は妹の結婚相手となる筈の男性に色仕掛けで取り入って結婚し、製材所を女だてらに切り盛りし、また家の税金が払えず差し押さえになるのを防ごうと、バトラーを訪ねて行って、金を貰おうと嘘八百を並べ立てても見たりする。1部2部を通して、スカーレットの「強さ」が伝わってくるね。これは「強さ」としか表現できない。「けなげさ」ではなく、自分の幸せのために他者を利用したり、他者の気持ちを踏みにじっても前に進む、という自分勝手ながらも「生きる」ことを誰よりも渇望したものの考え方。女性の一人立ち、というのが考えられなかったこの時代において、このような烈女はやはり良い目では見られなかったに違いない。
2部後半はバトラーとスカーレットのすれ違いの結婚生活。洒落者で浮気も沢山しそうな雰囲気のバトラーだが、彼はスカーレットのためにいちずに尽くした。しかしスカーレットは持前の気丈さ、もとい感情の起伏の激しさから事あるごとにバトラーに対して反抗し、彼を傷つける。それでもバトラーはただスカーレットを愛していた。人に頭を下げるのを良しとしない気質なのに、娘が生まれて以降は近所付き合いのために老人連中に頭を下げて愛想良くしたり、一度は耐え切れず家を出て行っても、連れて行った娘が母を恋しがるために戻ったり…。しかしスカーレットは今でも懲りずにアシュレーを愛しているかのようなそぶりを見せ、アシュレーの妻であり、自身のいとこであるメラニーの臨終の際、スカーレットがメラニーとの最後の対面の後自分のところに向かってこず、アシュレーに泣きつくのを見て心がどうしようもなく壊れてしまうのを感じ飛び出す。スカーレットがようやく追いついてくるも、彼女を振り払い家を出る。個々のバトラーの心境を思うとなんともやりきれなくなるね。妻はいつまでも初恋の人を思い続け、彼女に愛されることを諦める、それでもスカーレットとの別れの際に「僕は君をもう愛してない」とは決して言わない…。スカーレットには毛ほども同情出来ないしむかつく女だとも思うけれど、バトラーのこの愛情の深さにはなんとか報われることはなかったのかと悲しみが抑えきれない。

3時間半超ととても長い映画ではあるが、70年前の映画とは思えぬほど卓越した構成力、撮影技術で飽きることなく見続けられる。見どころはやはり南部貴族の生活の豪華さ、そしてそれが北部の勝利によって失われていくことの寂寞さだろうか。一面に広がる綿花畑、夕日に照らされた畑で黒人奴隷たちが汗を拭い、一日の労働の終わりにひとごこちつくとき、農園主たちは襞の多い豪華なドレスに身をまとい、白亜の大邸宅の中で華麗な舞踏会を楽しむ…。それこそが南部の美しさだった。gone with the wind。映画のOPクレジットにあるように、南北戦争という風は、南部貴族文化を吹き飛ばしてしまったのだ。

グランドイリュージョン

粗筋
4人のストリートマジシャンがある日それぞれタロットカードを貰い、あるマンションの1室に集合する。それから1年後、スーパーマジシャンとして成功した彼らは、銀行から一瞬にして数百万ドルを強奪する。この空前絶後のマジックによる銀行強盗を解決するためにFBIとインターポールは、マジシャン殺し、マジックの種を解明する専門家の手を借りることとなる…。

感想

結構いいねこれ!!
演出、映像共に正直言ってここ3か月で見た映画の中で3指に入る映画だろうけど、もうちょっと伏線、結末を丁寧に描けなかったものか。仮にも「イリュージョン」を描く映画なんだから、観客を「騙す」ことの意味を理解して欲しかった。これじゃあただのアクションだよ。
ちなみに3指は風立ちぬ、パシフィックリム、魔まマです。パシフィックリムより個人的に好みかも?「どうなる!どうなる!」感はあって2時間本当に気持ちよく楽しめた。 ラスト10分までは本当にわくわく!わくわく!しながら楽しめたのになあ。
伏線を張る、っていうのは一見めたくそ頭良い人が何年もかけて練り上げた渾身のネタ!って雰囲気があるけど、違うんだよな。そのネタの中身自体は意外なほどすっきり、本当に言葉にして10文字20文字程度のネタを「表現」するのに、血の滲むような演出の積み重ねがあるだけ。
最近のミステリー映画、って大体が「とんでもない結末にしよう、観客置いてけぼりになるかもしれないけど、そこは後付け設定で」って作りが余りにも多すぎるよ。前述したとおり伏線を作る、っていうのは本当に血の滲むような演出を膨大な量つける必要があるけど、それこそがカタルシスに繋がるのに。
伏線ものの傑作とは 見ている(読んでいる)最中に結末Aを漠然と予想させ、ラストであっと言わせて尚且つ結末Bであると理解した上で見返してみると、実は結末Bに収斂していく伏線を全て備えている(傑作中の傑作は結末Aが何故違うのか、の理由づけまである)もの。ggrんでも思いつく伏線ものの傑作と言えば我孫子の殺戮に至る病、シャマランのシックスセンスかな。特に殺戮に至る病はすげーべ。読んでほしい。チンコもげる。
だからこのグランドイリュージョンで言えば、①例えば主人公のマッポが黒幕なら、犯行が行われた際に彼が歩いているシーンとか見せて「捜査」のように見せながらそれが実質的な犯行前後の行動にしたりとか②主人公の父親とのつながり、及び復讐先のつながりを伏線として事前に撒くとか③さらに言えば「アイの目的はもっと大きなことだ」なので、その『大きなこと』のミスリーディングの提示とか、そういうの作るべきだよ。 やっぱ馬鹿に脚本任せちゃダメだよ。せっかく映像自体の質、構成力自体はかなりいいのに、この最後の部分で馬鹿を観ちゃってる。悲しい。脚本家は腹切って死ね!!

RED RIGHTよりは良かったかな。


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11月の映画

1日
42
大リーグ初の黒人選手の話。

8日
キャリー
yms!見るぞこらあ!(1年くらい前のツイートのネタ

さかさまのパテマ
パテマあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
観ます!!!!!!!!!!!!!

23日
かぐや姫の物語
日本のアニメ史上最も作画枚数の多い作品です。見ない訳がない。

ペルソナ3
これ1回で終わるんだったら見に行ったかもわからんが、複数回上映かー。なんで分けるかなー。

30日
攻殻2
うーんゴーストペインが詰まらんかったからもう見ないかも…。


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