午前10時の映画祭 ゴッドファーザー鑑賞
粗筋
シシリーからアメリカに移住し、一代で財を成したドン・コルレオーネ。三男のマイケルはひとり堅気な人生を送ろうとしていたが、敵対するファミリーにドンが襲われ重傷を負った時、彼は報復を決意する。そしてニューヨークは抗争の場と化していった……。

感想
堪らないこのノワールさ。
ジャンプ世代のクソホモは他としてもマフィアという単語で思い浮かべるのはカポネとこのゴッドファーザーだと思います。

マフィアの抗争を描いた本作。プロローグはマフィアのボス、ヴィトーの娘の結婚式のシーンから始まります。ヴィトーは多くの非合法な以来を請け負い、そこで得たコネクションでファミリーを強大にしていく姿が描かれる。
ヴィトーは麻薬に対す頑とした信念を持っており、そのため麻薬の話を持ってきた男も追い返してしまう。そのことから、彼は凶弾に倒れ、ニューヨークを舞台とした大抗争へと発展していく。
大学出で堅気になるつもりだったマイケルも、実の父親が抗争で命を狙われたことから復讐を決意、犯人とハメた警察官を殺し、国外逃亡する。ここまでが前半。
それから数か月。状況は好転せず、抗争は激しさを増し、ファミリー内でも犠牲者が出る。また時を同じくして国外での恋愛の後に結婚していたマイケルも命を狙われ、再びニューヨークのファミリーの元に戻ってくることとなる。嘗て堅気になると約束した恋人ケイをめとりながらも、彼は確実にマフィアの王としての道を歩んでいく。
父ヴィトーは不利な条件ながら休戦協定を結ぶも病に倒れ、組織内の裏切り者が彼に会合という名の騙し討ちをしかけようとしていることを察知し、マイケルは修羅となる。

ゴッドファーザー最高のシーンは矢張りここですね。
妹の赤ん坊の名付け親として洗礼式に臨むマイケル。
聖職者が赤ん坊の儀式を施しながら洗父であるマイケルに対し「神を信じるか?」「信仰を持つか?」などの質問を与えていく。
そして最後に「Do you renounce the devil?(悪魔を退けるか?」との質問に対し「Yes, I renounce the devil」と答えながらも、同時刻、彼の手による構成員によってニューヨークの名だたるマフィアのボス全てが襲撃に遭い、皆殺しにされていく。神をも畏れぬ、或いは神が許すものと信じるこの信念たるや。悪の美学を感じます。
そしてラストシーン。自分の妹の夫であるカルロが自分の兄を嵌めたことを知り、殺害を命じたマイケルに対し、彼の妻のケイが質問する。「あなたはカルロを殺したの?」と。マイケルは「仕事に口を挟むな」と突っぱねるも、「一度だけ答えてやる」と云い少しの間の後に「No」と答える。自分の夫の潔白さに安堵したケイが飲み物を作るために部屋の外に出る。部屋を振り返ると、夫は部下たちと話をし、部屋の扉が締め切られる。その時の夫の顔は、既にマフィアの王の顔になっていた。


3時間超えの超大作であり、また残虐表現もある映画ですが悪の美学に酔い痴れ、その芸術性の高さに感じ入る一作です。今回の午前10時の映画祭ではゴッドファーザーpart2の上映もありますので、ご興味のある方はぜひ最寄の映画祭提携店で2作ともご鑑賞下さい。

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