イノセントガーデン 鑑賞
粗筋

外の世界を遮断するように建てられた、大きな屋敷に暮らしている少女インディア・ストーカー(ミア・ワシコウスカ)。自身の誕生日に、愛していた父親が交通事故で帰らぬ人となってしまう。彼女は、母(ニコール・キッドマン)と葬儀に参列すると、そこへ行方がわからなくなっていた叔父のチャーリー(マシュー・グード)が突如として姿を現わす。彼と屋敷で暮らすことになるが、それを発端にしてインディアの周囲で不可解な現象が頻発するようになる。

感想

ほっほう。良い映画やん!オブリビオンとかつまらない映画見たばっかりだから良かった。
全体的には耽美系?制作陣がブラックスワンの制作陣らしいから、そっちを知っていれば大体雰囲気はつかめるかも。
以下ネタバレ考察。

インディアは生まれつきの超感覚の持ち主。五感が常に常人より遥かに研ぎ澄まされているために外界との接触を絶つような生活を続けていた。父親の死をきっかけに叔父だというチャーリーが家に引っ越して来、それ以後回りで謎の失踪が続く。
ここまでが大体予告篇の内容。「あーこの後インディアも犯罪者としての訓練をチャーリーの元で積むのかなー」という予想が付く。
そのあと、チャーリーが自分の回りの邪魔な人間を片付けていることを知る。ある日チャーリーが自分の母親と抱擁しているのを見たインディアは自棄になり、学校の男と夜の森に出かける。男が発奮してズボンを下ろすが叔父が現れて男をぶっ殺す。インディアは男が死んだ情景を思いながら思い出しオナニー(新ジャンル)。父親の遺品を片付けている最中、父親の机の隠し引出からチャーリーも自分と同じ超感覚の持ち主で(恐らくインディアよりも強烈な)、過去に精神の異常で彼ら「3兄弟」の末の弟を殺していた。インディアも同じ超感覚を持っていることに執着していたチャーリーはインディアの18歳の誕生日に自身を外界から隔絶していた病院から退院。彼女の元へ向かおうとしているのを兄(インディアの父)に止められ、彼を殺していたのだった。インディアはこの事実を突き付けたが、チャーリーは18歳の誕生日プレゼントしてこれまでのスニーカーとは違いハイヒールをプレゼントする。(今までスニーカーだったのが大人の靴になった=彼女を大人(或いは自身と対等な存在)として認めた=だから退院して彼女の元へ向かおうとした?)

その後インディアの母親がチャーリー及びインディアを気味悪がっているのを知り、チャーリーは彼女を殺そうとする。インディアはいつも狩りで使っていた猟銃を持って彼らの部屋へ行き、チャーリーを殺す。
この時点ではインディアの行動がその直前で描かれていた「何故あなたは私を愛してくれないの?」という母親の言葉への逆説的な行動なのか否かは分からない。しかしラストシーン、チャーリーを殺した彼女は母親と住んでいた家を捨てて車で疾走、注意しに来た保安官を殺す。このことから彼女は母親への愛で母親が死ぬのを止めたのではなく、ある意味自分を人殺しとして成長させたチャーリーを殺すことで彼に従うのではなく、超然とした者になることを選択したことが分かる。
これはプロローグでの「花は自分の色を選べない」という消極的な言葉と、作品を通じて随所に出てきた白い花がラストシーンで保安官の血により赤く染まったこととの対比からも分かるだろう。
父親が生前娘を狩猟に連れて行き、「時々悪いことをさせることで最悪のことをしでかすことを防」いでいたように、彼女の花は生来白い色ではなかったのだ。


コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索