午前10時の映画祭 カサブランカ 鑑賞
2013年5月23日 趣味
粗筋
戦火が近づく1940年、フランス領モロッコのカサブランカは自由を求めて渡米しようとする人々で溢れていた。
カサブランカでナイトクラブを経営するアメリカ人リック。その店を訪れた反ナチスの有力指導者ラズロとイルザ。二人はナチスの手を逃れ、亡命のためこの地で渡航証明を入手する算段だった。リックはかつてパリで恋に落ちたイルザと再会する。イルザに裏切られながらも、いまだに彼女を忘れることが出来ないリックは、ナチスの目を盗んでふたりを無事にアメリカへ脱出させようとする。
感想
終わり方がめっちゃ気持ちいいな!
えー戦中の映画です。なので今の観点からしてみると相当にプロパガンダ臭のする映画ではあります。しかしこの映画の名作たる所以は音楽と名言の数々。
リックの店でas time goes byがかかるシーンでは郷愁のほろ苦さを感じずにはいられませんし
http://www.nicovideo.jp/watch/sm18625521
映画の名言ランキングでは一作品から何と6つの名言がランクインされています。
http://wonderland02.web.fc2.com/movie/afi/afi100moviequote.html
どんな人でも伊達男が言う定番の科白「君の瞳に乾杯」の言葉は知っているのではないでしょうか?
この映画を先ほどプロパガンダ臭がする、と言いましたがこの作品に通底しているのは愛国心です。この物語の中核を担う男たち(後半になりそれが2人ではなく3人だと判明するのですが)は何れも愛国心を持った男たちです。
主人公のリックは過去愛国者たちを救う手助けをしていましたし、ラズロは言わずもがな反枢軸国運動の指導者。そしてネタバレになりますが、警察署長のルノーも実は反独のシンパだったことが判明します。そして彼らはそれぞれ愛国という大きな物語に沿った「愛」を持ちながら、もう一つの愛を持っています。それは自分の大切な人を救うために、仮令自分に不利益を蒙ろうとも助けるという心。リックはラズロに通行証を渡し、「二人で逃げる」ことを進言します。そしてその際にラズロに対して「彼女は俺から通行証を取るために愛していると云った。それは嘘だ」と優しい嘘をかけます(当然ラズロほどの人間なら、それがまた嘘であることにも気づいていたでしょうが)。ラズロはそれ以前にリックに相談し、自分はカサブランカから逃げられないが、どうか彼女を連れて君と二人で逃げてくれ、と頼みます。恋仇であるリックに対して、イルザの幸せを願って頼むラズロの心中たるや。そして序盤では単なる悪役に過ぎなかったルノーも、リックがラズロイルザの亡命を手助けする現場に居合わせたドイツ将校の殺害を見逃してやり、更に「我々の行動資金が必要だ」と自分も彼の亡命に加担してやることを告げます。それに対しリックは
Louis, I think this is the beginning of a beautiful friendship.
と真の友情が芽生えたことを告げ、薄明りの灯る宵闇の中へと消えていきます。
私はこの映画はこういう愛国心の裏側にある献身、自己犠牲の精神を説いた映画であったように思いました。どうしてもイルザ、リック、ラズロの恋物語に目は行きがちですが、イルザは自分のことばかりを考えている自己中心的な女であるようにしか見えませんでした。いやそらまあ悩み苦しんだとは思うけど、どうも男3人と比べると人格的に浅いなあ、という感想が出てきました。まだまだ女はドメスティックたれ、という時代だったんでしょうかね、と何となく時代背景のせいにして感想は終わりです。
戦火が近づく1940年、フランス領モロッコのカサブランカは自由を求めて渡米しようとする人々で溢れていた。
カサブランカでナイトクラブを経営するアメリカ人リック。その店を訪れた反ナチスの有力指導者ラズロとイルザ。二人はナチスの手を逃れ、亡命のためこの地で渡航証明を入手する算段だった。リックはかつてパリで恋に落ちたイルザと再会する。イルザに裏切られながらも、いまだに彼女を忘れることが出来ないリックは、ナチスの目を盗んでふたりを無事にアメリカへ脱出させようとする。
感想
終わり方がめっちゃ気持ちいいな!
えー戦中の映画です。なので今の観点からしてみると相当にプロパガンダ臭のする映画ではあります。しかしこの映画の名作たる所以は音楽と名言の数々。
リックの店でas time goes byがかかるシーンでは郷愁のほろ苦さを感じずにはいられませんし
http://www.nicovideo.jp/watch/sm18625521
映画の名言ランキングでは一作品から何と6つの名言がランクインされています。
http://wonderland02.web.fc2.com/movie/afi/afi100moviequote.html
どんな人でも伊達男が言う定番の科白「君の瞳に乾杯」の言葉は知っているのではないでしょうか?
この映画を先ほどプロパガンダ臭がする、と言いましたがこの作品に通底しているのは愛国心です。この物語の中核を担う男たち(後半になりそれが2人ではなく3人だと判明するのですが)は何れも愛国心を持った男たちです。
主人公のリックは過去愛国者たちを救う手助けをしていましたし、ラズロは言わずもがな反枢軸国運動の指導者。そしてネタバレになりますが、警察署長のルノーも実は反独のシンパだったことが判明します。そして彼らはそれぞれ愛国という大きな物語に沿った「愛」を持ちながら、もう一つの愛を持っています。それは自分の大切な人を救うために、仮令自分に不利益を蒙ろうとも助けるという心。リックはラズロに通行証を渡し、「二人で逃げる」ことを進言します。そしてその際にラズロに対して「彼女は俺から通行証を取るために愛していると云った。それは嘘だ」と優しい嘘をかけます(当然ラズロほどの人間なら、それがまた嘘であることにも気づいていたでしょうが)。ラズロはそれ以前にリックに相談し、自分はカサブランカから逃げられないが、どうか彼女を連れて君と二人で逃げてくれ、と頼みます。恋仇であるリックに対して、イルザの幸せを願って頼むラズロの心中たるや。そして序盤では単なる悪役に過ぎなかったルノーも、リックがラズロイルザの亡命を手助けする現場に居合わせたドイツ将校の殺害を見逃してやり、更に「我々の行動資金が必要だ」と自分も彼の亡命に加担してやることを告げます。それに対しリックは
Louis, I think this is the beginning of a beautiful friendship.
と真の友情が芽生えたことを告げ、薄明りの灯る宵闇の中へと消えていきます。
私はこの映画はこういう愛国心の裏側にある献身、自己犠牲の精神を説いた映画であったように思いました。どうしてもイルザ、リック、ラズロの恋物語に目は行きがちですが、イルザは自分のことばかりを考えている自己中心的な女であるようにしか見えませんでした。いやそらまあ悩み苦しんだとは思うけど、どうも男3人と比べると人格的に浅いなあ、という感想が出てきました。まだまだ女はドメスティックたれ、という時代だったんでしょうかね、と何となく時代背景のせいにして感想は終わりです。
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