ジャッキーコーガン 鑑賞
2013年4月30日 趣味粗筋
優しく、殺す」をモットーにする殺し屋ジャッキーは、「ドライバー」と呼ばれるエージェントから、賭博場強盗の黒幕を捜索する依頼を受ける。ジャッキーは前科のあるマーキーを探し出すが、実際に強盗を仕組んだのは別の悪党3人組であることが発覚。さまざまな思惑が交錯するなか、ジャッキーは事件にかかわった人間を皆殺しにすることを決める。
感想
うーん?うん…。予告編詐欺っていうのかなあ。予告で受けたイメージと本作が全く違う。
簡単に言うと、「殺し屋」というイメージにあるような「冷徹な殺人マシーン」あるいは「華麗にミッションをこなす伊達男」って感じじゃあないんだよね。
予告は後者の「カッコいい犯罪者」って表現してるけど、実際は違う。
物語は賭博場強盗のシーンから始まる。しかし彼らは明らかな素人集団で、準備もしていなければ手際も悪く、おまけにその場で激昂するなど成功したことが奇跡とも思えるような仕事をする。それに対応したマフィア側のエージェントも、どこか他人事のように殺し屋のジャッキーと相談事をする。映画のマフィアと言えば「草の根分けてでも探し出して犯人をぶち殺せ!」というものが多いから、これにも何か拍子抜けの感がある。
賭博場襲撃の絵図を引いた者がジャッキーと面識があるために、彼を直接殺そうとはせずわざわざ別の殺し屋も手引きするのだが、この男もこれまた酷い。明らかな不摂生の生活を送っているのに治そうとせず、女関係も悪く、柔らかく窘めようとすると直ぐに激昂する。おまけに仕事に対しても不真面目。そんな中ジャッキーは途中まではこの殺し屋になんとか殺しをさせようとするが、余りに愚図のために結局自分で全部請け負うことにする。
全員始末し(信じられないほどあっさりとだが)エージェントと値段の話をするジャッキー。彼は「アメリカは国ではない、ビジネスだ」と言い、値段を吊り上げようとして物語は唐突に終わる。
物語を通して大統領選のスピーチをバックに何度も流し、アメリカが熱狂した(筈の)政治精神を空疎に、まるであざ笑う対象であるかのように描く。そしてそこで描かれるのはwhite trashの典型のような無気力、無意志、向上心のないゴミ屑のような人間たち。その中で独り人間らしく生きようとするジャッキーが選んだ道は、何もかもビジネスと割り切る傲然たる態度だった。
乾いた空気の中で、どこか悪意を感じる映画。漠然とした不安感を増大させたい人におススメです。殺し屋映画として見に行くとしたらとても後悔します。この前やっていた「drive」って映画とはまるで対極に位置する作品でした。
優しく、殺す」をモットーにする殺し屋ジャッキーは、「ドライバー」と呼ばれるエージェントから、賭博場強盗の黒幕を捜索する依頼を受ける。ジャッキーは前科のあるマーキーを探し出すが、実際に強盗を仕組んだのは別の悪党3人組であることが発覚。さまざまな思惑が交錯するなか、ジャッキーは事件にかかわった人間を皆殺しにすることを決める。
感想
うーん?うん…。予告編詐欺っていうのかなあ。予告で受けたイメージと本作が全く違う。
簡単に言うと、「殺し屋」というイメージにあるような「冷徹な殺人マシーン」あるいは「華麗にミッションをこなす伊達男」って感じじゃあないんだよね。
予告は後者の「カッコいい犯罪者」って表現してるけど、実際は違う。
物語は賭博場強盗のシーンから始まる。しかし彼らは明らかな素人集団で、準備もしていなければ手際も悪く、おまけにその場で激昂するなど成功したことが奇跡とも思えるような仕事をする。それに対応したマフィア側のエージェントも、どこか他人事のように殺し屋のジャッキーと相談事をする。映画のマフィアと言えば「草の根分けてでも探し出して犯人をぶち殺せ!」というものが多いから、これにも何か拍子抜けの感がある。
賭博場襲撃の絵図を引いた者がジャッキーと面識があるために、彼を直接殺そうとはせずわざわざ別の殺し屋も手引きするのだが、この男もこれまた酷い。明らかな不摂生の生活を送っているのに治そうとせず、女関係も悪く、柔らかく窘めようとすると直ぐに激昂する。おまけに仕事に対しても不真面目。そんな中ジャッキーは途中まではこの殺し屋になんとか殺しをさせようとするが、余りに愚図のために結局自分で全部請け負うことにする。
全員始末し(信じられないほどあっさりとだが)エージェントと値段の話をするジャッキー。彼は「アメリカは国ではない、ビジネスだ」と言い、値段を吊り上げようとして物語は唐突に終わる。
物語を通して大統領選のスピーチをバックに何度も流し、アメリカが熱狂した(筈の)政治精神を空疎に、まるであざ笑う対象であるかのように描く。そしてそこで描かれるのはwhite trashの典型のような無気力、無意志、向上心のないゴミ屑のような人間たち。その中で独り人間らしく生きようとするジャッキーが選んだ道は、何もかもビジネスと割り切る傲然たる態度だった。
乾いた空気の中で、どこか悪意を感じる映画。漠然とした不安感を増大させたい人におススメです。殺し屋映画として見に行くとしたらとても後悔します。この前やっていた「drive」って映画とはまるで対極に位置する作品でした。
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