粗筋

6歳の少女ハッシュパピー(クヮヴェンジャネ・ウォレス)は、“バスタブ”と呼ばれるコミュニティーで、父親のウィンク(ドワイト・ヘンリー)と暮らしている。彼らは、閉鎖的な場所であったものの穏やかな日々を送っていたが、ある晩、嵐が全てを奪い去る。突然大好きな場所や仲間を失ったハッシュパピー。途方に暮れる状況の中、ウィンクが重病であることを彼女は察知し……。

感想
斜め上。大変悪い意味で。

先ず映画の感想以前の問題。何で the beast in the southern wildって原題を「ハッシュパピー バスタブ島の少女」って訳すの?作品内でハッシュパピーが「I am a(the?) beast!!」って言ってるシーンもあるし、最後のオーロクスとの対決シーンも含めて、このbeastって単語には意味がある訳じゃない。なのになんでこんな邦題にしちゃうの?本当にこのタイトルにした奴は馬鹿だな。腹切れ。

はいじゃあ感想へ。
ハッシュパピー役の主演女優の演技は確かにバケモンですわ。序盤のパピーとその父の零細漁民の生活の様子はリアリズムの極致ともいえる出来。カメラがハンディカメラでずっと撮影されていることもあって、途中までは「ああこれドキュメンタリーなのか」と錯覚してしまうものだった。机に海老どざーとぶちまけてそれを食ったり、カニを叩き潰して食ったり。とても演技とは思えない。これは化けるで。既にバケモンだけど。

ただ、そんな前半のシーンに比べて後半がどうもね…。前半の貧しくも島を愛している漁民の生活を描くだけで良かったのに、オーロクス伝説がどうたらこうたらだの、父親が不治の病で死にそうだの、クソ下らない低級ハリウッド映画にありがちなどうでもいい要素が映画に入ってきたおかげで、それまでの感動が一気に失せた。田舎料理を食べに田舎の旅館に入ったのに普通のステーキが出てきた気分。何で折角の持ち味を殺すようなストーリーにしてしまうかね?

なんか過酷な現実に立ち向かうリアリズム的映画にするか、ファンタジー、生死感で以て幻想的に描くか、どっちかにして欲しかったなあと思いました。

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