粗筋

映画のストーリー結末の記載を含むものもあります。小大貧しい家に生まれ、学校にもろくに通えない中、苦学を重ねてアメリカ合衆国第16代大統領となったエイブラハム・リンカーン(ダニエル・デイ=ルイス)。当時アメリカ南部ではまだ奴隷制が認められていたが、リンカーンはこれに反対していた。リンカーンの大統領当選を受けて、奴隷制存続を訴える南部の複数の州が合衆国から離脱しアメリカは分裂、さらに南北戦争へと発展する。自らの理想のために戦火が広がり若い命が散っていくことに苦悩するリンカーン。しかしついに彼は、合衆国大統領として、そして一人の父親として、ある決断をくだす……。

感想

政治映画。
良くあるリンカーン映画のように、生まれから死ぬまでを描くのではなくて、南北戦争終結間際の奴隷制廃止の修正案を出す4か月の姿を描いているのは斬新。
日本でのリンカーンのイメージはまさにゲティスバーグ演説
http://youtubelistening.blog116.fc2.com/blog-entry-60.html
に見られるような「平和を愛する高潔人」のイメージだけど、この映画では如何に法案を通すかで工作をする普通の政治人のように見えた。下院で通すためには2/3以上の票が必要だが、その数には政権を取っている共和党の議席だけでは足りないため、ロビイストに手を回して敵対政党からの離反者を集めたり、また同時に敵政党のトップに和平の道を探るから票を回すよう二枚舌で策略を打ったり…。こういうと悪く聞こえるかもしれないが、目指す方向が人種差別の撤廃だから不思議と良く見えてしまう。それに彼が寓話を用いて人の心を動かすのも見ていて面白かった。国を動かすためには綺麗ごと以上のことをやっていかなければならない、というのが分かった。
ただどうにも日本のことではないので、縁遠いというか、実感がわかないというか…。日本の大河ドラマを他国の人が見てもクッソつまらないと思うが、これも正直画としては地味なので、特に良い映画だったとは日本人として感じられなかった。日本では流行らないだろうなあ。


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