はい、謎トリオで見に行きました。

粗筋
もうさ、無知な厨2病厨(同語反復)の言うとおり厨2病のパクリってことにして、終わりでいいんじゃない?

感想
率直に言って非常に残念な出来。

①作画が良くない。
単館上映系ではあるけどさあ、もうちっと作画金かけられなかったのかね。プロローグの光牙のシーンはまだしも、序盤の主人公の生活~佐藤良子と会うところの一番の掴みの段階で既に作画が酷い。酷いよ。
なんというか、TVアニメ的な「止め絵は見られるけど、動画にすると途端に動きがみすぼらしくてアニメーションとして不満の上がる」ような作画。

②一人称の描き方がされていない。
かなり昔に原作を読んだのでおぼろげですが、一般的な青春ラブコメのように一人称の語り、心内描写の文だった筈。それなのに、今回は外ッ面をなぞるような作りで、主人公の心内ですとか、雰囲気が伝わってきません。(察しろよ、と言われるかもしれませんが、ラノベなんて所詮そういう一人語り自意識の延長=読者が共感するための装置なんだからさあ、映像化でももうちっと気を遣えよ)

③まるで世界系のような雰囲気すら感じる作り=原作との乖離
ストーリーのアウトライン自体は全部沿っていたのですが、クラスの説明?のところをはしょり過ぎていて(これも一人語りの部分で原作では説明されていたのですが)、ダブル佐藤だけの話のように見えてしまいました。いや、まあ実際そうではあるのですが、学校という空間を意識した原作だっただけになんとも残念です。
クラスカースト的な意識があること、イケてる人間になるためには上位カーストのグループに属する及び彼らとの接点を持つこと、重度厨二患者の「妄想戦士」はそのカーストの最下位に属していること。もうちょっと意識的に描けた筈では。
主人公は痛過去を持っていてそれに引け目を感じているという意味では後発の出版なのにAURAよりも早くアニメ化された「中二病でも~」も同じですが、その過去に対する主人公の痛みはAURAの方が圧倒的に重く書かれています。(厨二病の方ではやれやれ系、自虐として描いていたが、AURAの方では自分を今なお苛んでいるものとして描かれている)。
そして、何故AURAでは厨二であることに対してそれほどまでに忌避しているかというとまさにこのクラスカーストにおいて劣後することへの不安、恐怖感である訳です。それは(ラノベにおいて語るのは些かメタ的ではあるのですが)アニメ的、ラノベ的な「ネタ」ではなく、現実的な視座に立ったもの、「痛い、痛くない」の個人の感覚的なものというよりは、社会において認められるかどうか、という視点から読み取れるものです。
AURAはサヴァイブ系の系譜に属していて(違うと思ってる奴はせめてウィキでいいから読め↓)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88
その中で社会性を構築すること、成長していく過程が他の凡庸なライトノベルとの違いだと思います。
一応の高校デビュー、中位からスタートし、上位グループの人の目にかかって、あわや上位入りか、と予期させるものの、厨2という最下位カーストの人間と接触したことから、自身も最下位カーストに属し、それまでの友人関係=社会性も失ってしまう。
しかしそこでへこたれず、最下位カーストの人間を助け、上位カーストの人間を彼自身の失態ではあったものの停学処分にし、既存の社会構造を混沌化させる力が主人公にあることを示す。こういう弱者の王の形での主人公の成長もまたこの作品の魅力でもあった筈です。映画の尺の関係もあったでしょうが、こういう持ち味を活かさず、「何かシリアスになった『厨二病でも恋がしたい!』みたいですね」という感想しか出てこないような凡庸なアニメになってしまったことは只々残念です。

良かった点ですか?声優が花澤香奈だったくらいじゃないですかね。しょうえいさんなら楽しめるんじゃないですか(棒読み)

コメント

syoei
2013年4月21日10:26

名前があってビックリですよ(汗)

マイコロス
2013年4月22日0:12

コメントつけられてビックリですよ(滝汗

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