LOOPER

粗筋
近未来世界。その世界より30年後の世界ではタイムマシンが発明され、それを悪用する組織が未来では何が有っても露見してしまう殺人行為を過去(すなわち「現在」)の人に託すことで代行する暗殺業が成立していた。「現在」での暗殺者である主人公は、ある日未来から送られてきた標的が30年後の未来の自分であったことから、未来を救うための戦いに巻き込まれることになる。

感想
余りにも稚拙な設定。

先ず杜撰な設定について。
タイムトラベルものではタイムトリップに関して3つの考え方がある。
①時間は一本の線であり、その線はタイムトラベルによって改変されるたび改変地点より後の線全ての事象が上書きされる、というもの。
しかしこれはタイムパラドックスを引き起こすため(未来の人間が過去の人間を銃殺した場合、過去の人間が死んだことにより未来の人間も存在しえなくなる。しかし未来の人間が存在しないのならば過去の人間が受けた銃弾も存在しないため、遡及的に「銃殺」という事実も発生しなくなる、うんぬんかんぬん)、タイムトラベルものとしては最近は否定されている。
②時間は一本の線であるが、その運命は全て決定されているため、仮令タイムマシンで過去に行こうとも、過去は絶対に変化しない、というもの。
ドラえもんのタイムマシン譚にあるように、変えようとした行為が結局のところ元の過去になるように仕向けてしまうという話。全てのタイムトラベルの祖である作品「タイムマシン」でも恋人の死は何をしようとも変わらなかったのを見ても分かる。時間旅行の説明概念としては明確だし、論理的なつながりを見せてストーリーにも出来るので何かと便利。
③時間は一本の線であるが、それと並行する無数の平行世界があり、タイムトラベルはその世界線を飛び越える、というもの。(世界線を移動する、とする説と各人の時間を断絶して行動することにより新たな軸を「創造」する、とする説もあり、色々齟齬もあるので分からん)
これは「上書き説」とは違い、仮令「過去」に行って自分を殺してもそれは別人であるため、その世界線出身ではない「自分」はタイムパラドックスで死なない、というもの。まあこれも便利な概念ですね。

で、このLOOPERは概ね①の上書き説を取っているのだが、説明が余りにも少なすぎる。
この映画は現在の自分と30年後の未来の自分、2人の視点で描かれる作品なのだが、ところどころ①説と③説を混同して描いている。①説であるならば、現在の自分が起こす全ての行動は未来の自分が既に起こした行動になっている筈だ。そのため未来の自分が過去の現在に干渉するたび、それは未来の自分自身へと波及するのが筋である(結末的にもそれは証明されている)。
それなのに、現在の自分のアクションは未来の自分へと反映されていない、まるで③説のような表現が多数ある。(未来の自分の行動原理である「妻を救う」も、現在の自分が「俺はそんな女と会わないね」と反感しているにも関わらず未来の自分へと波及していかない)

全体としての稚拙さはこんなところ。
他にもLOOPER制度の意味不明さ
Q1:「30年後」とは何か?どの地点から30年後なのか?
Q2:なぜ「30年前に送って」「銃殺」という確実性の低い殺害方法をする必要があるのか?
Q3:なぜ犯罪組織は時間操作が出来るにもかかわらず、根本的な解決をせず過去に送って殺す、という迂遠な馬鹿な方法を取るのか?(タイムマシンものの永遠の命題である「野望のためにタイムマシンを使うのならば、一番最初に発明した人間が行動を起こした瞬間に全ての時間軸を支配することになるので、争いや反抗は発生しえない」というもの。)

それに物語の鍵であるレインメーカーが超能力の使い手だった、というところでも、何故少年の「凄さ」の演出であんなに物語にそぐわない超能力という設定にする必要があったのかという必要性についても描かれていない(少年の凄さの演出だけなら、序盤の「僕は赤ん坊だったけど本当の母親が死んだ時のことを覚えている」や、僅か8歳にして機械類に明るいこと、洞察力が並はずれていること、などのあの描写だけで十分だったのに)。

総括して言うと、SF舐めてんの?脚本家や作品設定考証チームは皆ポン中の能無しクソ馬鹿ヒッピーだったのかな?
30点。

~~~~~
ハンターハンター

粗筋
ヒソカの前の旅団の団員は人形使いで、人形の眼が欲しくてクラピカの眼を奪うんだけど、まあ色々な人の怨み買って最後には殺されちゃう、みたいな。

感想
クソ。
1200円のハンターハンター0巻に1時間半のビデオクリップがついてきた、みたいな?
ストーリーもお粗末だし、映像としてもちょっと良くないね(ちょっとどころではないが)。
イントロのキルアの暗殺業初陣のシーンはダークで良かったのに、後がダレダレ。アニメ映画っていくらくっだらないシーンをつけても良いTVシリーズと違って時間的制約がきついのだから、なるだけぎゅうぎゅうに詰め込んで展開を長くしないとダレるんだよね。オリジナルアニメーションなら、世界観やキャラクター、組織の説明や「空気、雰囲気」の描写で緩急つけてもいいけど、「劇場版」はそういう説明は省いて良い訳だから、描きたいものだけを描けるのが強み。なのにこの映画はストーリーが極端に薄い一本道の展開なのに1時間半超あるので、見ていて非常にダレる。ほんっっっとうにダレる。

それと単純に原作レイプでした。劇場特典の「ハンター0巻」のネームのアイデアパクって膨らませて妄想して映画にしました、って感じなので旅団メンバーとクラピカの確執とかもほぼ無視されているし、時系列的にも若干齟齬もあるし(旅団編終わって早々クラピカレオリオとゴンコンビは分かれている筈)、見ていて不快感すら覚えました。

総評:0巻貰って劇場入った後、上映開始前にトイレに立つ振りをして帰りましょう。
15点。

コメント

ベッティ
ベッティ
2013年1月14日0:32

ハンター×ハンターは私も昨日見ましたが、同感でした。クソ。

giya
2013年1月14日1:28

自分も見ましたが0巻面白かったです。冨樫先生直筆のページが特に。

yuffy@アリス
2013年1月14日4:45

私もハンターハンター見ましたが、普通に面白かったですよ。
序盤から中盤までゎですけどね。

マイコロス
2013年1月16日17:52

>べ
クソ。

>g
映画の項目でエイリアンとゾンビ挙げるあたりわかってる方だわ

>y
節穴かよお!?(驚愕)

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