メリダとおそろしの森 鑑賞
粗筋

ピクサー・アニメーション・スタジオ13本目の長編作。スコットランドを舞台に、自由を愛する王女メリダが、精霊に守られた神秘の森の奥で待ち受ける運命と対峙する姿を描くファンタジーアドベンチャー。王家の伝統に嫌気がさしていた王女メリダは、ある日、不思議な鬼火に導かれて森の奥深くに住む魔女に出会う。メリダは魔女に「魔法で自分の運命を変えてほしい」と頼むが、古来より人間が森の魔法を使うことはタブーとされていた。魔女はメリダの願いを聞き入れ呪文を唱えるが、それと引き換えに平和だった王国に恐ろしい呪いがかけられてしまう。

雑感
・映像の面で言えばもうジブリとか日本のアニメーション会社ではもう絶対に追いつけないことが明白。おおかみこども~の疾走シーンの作画評価とか言ってたけど、ピクサー映画の疾走シーンの方が何百倍も躍動感があるよね。この映画の評価ポイントしてはアニメーションでは比較的コミカルな動物として描かれていた「熊」という動物をケダモノとして描けていたことかな。重さ、速さ、力強さ、そして獰猛さ。こういうのを表現するにはやっぱり3Dじゃないとね。
・話がシリアス~って論評見るけどそうか?かなりコミカルな部類だと思うけどね。誰も死なないし、演出も手伝って暗い話には見えなかったな。
・ピクサーらしく「成長」が主眼に置かれている。大人になってから気づいたけどこの成長って意味には「社会性の獲得or再生」が込められているね。ゼロ年代の言説ではないけど、ポストモダニズムの潮流の中、国家が失われた我々は国と個人の間の共同体によって自我を形成していく、って感じか。
・それと「成長」とは同時に喪失をもたらすもの、としても描けているのは良いね。単なる夢物語ではない。ぶっちゃけネタバレになるんだけど、物語内の「呪い」ってメリダの母親が熊になる呪いなのね。それで仲直りすることでラストシーンで呪いがとけてメリダの母親が元の人間になるんだけど、そこでメリダと抱擁する時のカメラパンでメリダの母親の「白髪」が強調されているのが分かる。メリダが僅か2日とは言え、幾多の冒険や選択を経て社会性を獲得し、仲直りした。成長する際に必要とされる時間の経過を親の衰え、の形で表現するのは流石ピクサーさんだなあ、と感動した。こんなの日本の低俗幼稚なアニメじゃ出来ないね。「子供向けアニメ」ばかりで「ファミリー映画」を誰も作れなくなってしまったんだから。


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