おおかみこどもの雨と雪 鑑賞
粗筋

人間の姿で暮らす“おおかみおとこ”に恋をした大学生の花。やがて妊娠し、雪の日に女の子の、雨の日に男の子の《おおかみこども》を産む。姉弟は雪、雨と名づけられる。ところが、ある日突然“おおかみおとこ”が帰らぬ人に。遺された花は子供たちを人間として育てるか、おおかみとして育てるか悩み、山奥の古民家に移り住む。日々成長する快活な雪と内気な雨。小学生になった2人にそれぞれ転機が訪れる。

感想

うん、つまらん。見るのを引き留めるほどではないが、他の映画を観るように勧めるレベルの映画ですね。細田先生大失敗。

最序盤
ウチの大学が舞台でーす!
西本館の21教室と東本館の2202が合体したような教室や、何故か講義のほぼ開かれない筈の兼松講堂が講義棟になっている風景や、実は国立大学では有数の蔵書数らしい図書館が描かれていたりします。大学通りの白十字とかイルミネーションの施された並木道のシーンはウチの大学生はほっこりすると思います。
獣姦シーン以外見所なし。

序盤
女手一つの育児シーン。何というか心に来る。夜泣きで隣から苦情を言われるとか、ネグレクト疑われて役所が訪ねてくるとか、そういうシーンがとてもリアル。

中盤
銀一色の雪原を駆け抜けるシーンは素晴らしい。それだけ。

終盤
女の子は狼であることを捨て、男の子は人であることを止める(JOJO-!)

全般的な評価
つくづく見所のない映画。
一家が山奥に引っ越して、最初は失敗続きだったけど徐々に農作業が上手くなって近所づきあいが始まる場面なんかは、おじいちゃん始め登場人物たちの関係なり気持ちなりをもっと掘り下げられた筈。なのに唐突に彼らの出番が終わる。
これは花と雪と雨3人の成長物語だから、という反論もあるだろうけど、かといって3人の描写も満足とは言えない。唯一雪だけは狼化を抑えられず同級生を傷つける→狼であることを止める→台風の日、傷つけた男子生徒の前で一瞬だけ狼の姿を見せて謝る、という成長やそこに至るまでの苦悩煩悶は描かれているものの、他の2人は皆無と言っていい。雨は山の狐公につき従う内に山にとり憑かれ、狼であることを選ぶけれど、それに至るまでの経緯が何も描かれていない。川に落ちて溺れた時が契機と言われていたものの、どんな心境の変化があったのか何も描写がない。そして何よりも許せないのが母親の花がまるで聖人君子のように描かれていたこと。子供たちがどんなにわがままを言っても、どんなに境遇が辛くても泣き言一つ不平一つ言わず子育てをする。でもそんなのを見て誰が共感するの?誰が感動するの?子育ても人生も、苦難苦難の連続でしょ。それを歯を食いしばって耐え抜いてこそ未来があるけれども、どこ吹く風何も気にかけないような余裕の表情で居る人間って、正直気持ち悪い。「父がどんな時でも笑えって言ったから私はいつも笑っています」と彼女自身語っていたけど、もしかして狼男という化物との間に狼子供という化物を作ったけれど彼女自身も化物じみているっていう皮肉かい?そんなの全然笑えないでしょ。

まあ、見ない方がいいよ。こんな駄作見るならマルドゥック見ろ、マルドゥック!

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