キャリー 鑑賞
キングの処女作にして出世作「キャリー」の映画を午前10時の映画祭で見てきました。

粗筋
いじめられっ子のキャリーは初潮を期に超能力を開花させ、徐々にその片鱗を見せ始める。キャリーはとても狂信的なキリスト教信者の母親の下で育てられ、初潮を迎え大人の女性へと成長することを「汚らわしい」として虐待まがいのことをされていた。
キャリーをいじめた生徒たちは罰を与えられ、主犯格の少女は反抗したことからプラム(学校主催のパーティー)への参加を禁じられる。それに腹を立てた彼女はキャリーを逆恨みし、プラムの会場で彼女に豚の血を浴びせかける計画を思いつくのだが…。

以後ネタバレ。
ジャンルとしてはホラー映画ですが、同時にキャリーは青春映画であり、また家族愛を描いた作品でもあると思います。
先ず青春映画について。キャリーはいじめと家庭暴力から引っ込み思案になっていましたが、クラスのスターに誘われプラムへと興味を持ち始めます。今までしたことのなかった化粧をし、ドレスを自作さえするのです。そして場面はプラムへ。ドリーミィーな音楽の中、彼女は彼の腕に抱かれながらダンスを踊ります。きらきら光る会場のお飾り、目まぐるしく2人の回りを周るカメラ。スローモーションの時の中キャリーは確かに青春の輝きに包まれるのを感じます。この幸せな青春のシーンがあるからこそ、そのあとに待ち受けるホラーシーンの凄絶さが際立つのでしょう。
家族愛について。キャリーは確かに難しい家庭に育ちました。母親は父親に捨てられ、それによって精神に異常をきたした母は結婚や家庭を持つことを憎み、信仰心と絡み合った憎悪でもってキャリーを責め立てます。キャリーがプロム会場で力を解き放ち、家に帰ってくるシーン。母は自分が夫によって妊娠させられた時、キャリーを殺そうかと思ったと語ります。しかし自分が弱かったのでそれが出来なかった、とも零す。そしてキャリーを今度こそ殺そうと包丁を振り上げます。しかしキャリーは超能力で母を殺し、ラストでは抑えきれなくなった超能力から逃げるように母の骸を抱き上げ、母に折檻される度に閉じ込められた懲罰室へと姿を消します。母は心の弱さ=愛情から娘の命を奪うのを止めたが、最後は殺そうとして包丁によって磔に=キリスト的、宗教的な死を迎え、キャリーは母を殺したものの、その母の死骸と共に家庭内の宗教的シンボルでもあった懲罰室の中、母と一緒に焼け死ぬ。この複雑ながらもお互いを思う家族愛も、キャリーの魅力の一つと言えるのではないでしょうか。

最後にキャリーのホラー的な話を一つ。いじめっ子でもあったがのちに改心しボーイフレンドにキャリーをプラムに連れて行くよう頼んだ少女、スー。彼女はキャリーが豚の血を浴びる直前に計画に気づき止めようとして教師に制止され、プラムの会場から追い出されてしまいます。それが結果的に唯一の生存者となることにつながるのですが、最終的に彼女は墓穴から伸びるキャリーの手につかまれる幻覚にとり憑かれるエンディングを迎えます。彼女がキャリーの情念に憑かれることは思えば始めから決まっていたことなのでした。ラストでキャリーは豚の血にまみれた手でスーの腕をつかみましたが、そもそも映画冒頭、シャワールームで経血にまみれた手でキャリーは先ずスーの手に血の跡をべったりと残したのですから。


~~~~~
400kヒット。

検索ワード

>810 読み方
やじゅう、もしくははってん

>びれぞん 意味
…の可能性が微粒子レベルで存在する…?

コメント

もっちー
2012年7月6日3:57

俺も誰か行くなら行くかな―という感じです
まあとりあえずFNM出つつ考えましょうか

凡骨
2012年7月6日6:19

行けないっす

マイコロス
2012年7月7日22:34

おう。

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索