・ミッションインポッシブルゴーストプロトコル
総評:正しきスパイアクション映画。分かりやすい敵役とその陰謀の阻止、潜入チーム結成、そしててんこ盛りのスパイ道具とアクションシーン。
ストーリーはかなり簡易化されており、整合性の取れないところや伏線じみていて回収されないところもあり、不満な人もいるかもしれない。アクションシーンを繋げてストーリーを作ったって感じかな。「恋人の仇を討ったよ!」「じゃあ次の作戦行こうか」ってドライさが素敵。
映像:流石に金がかかっているだけあって迫力がある。でも今回一番気に入ったスパイ道具は廊下に設置させた幕状のスクリーン。相手の目線を自動測定して偽の映像を作るっていうのがあり得そうで良かった。ボンドカー(笑)とは違う。
・山本五十六 太平洋戦争70年目の真実
総評:邦画の戦争映画としては斬新。良作。
戦争映画というと悲惨な戦争後期の窮乏生活であるとか、軍隊や憲兵を圧倒的悪として描く自虐史観的なものになるのが通例だが(こう書くと直ぐ自慰史観って言われるんだよなあ…)、山本五十六が活躍した太平洋戦争開戦~序盤のものであったため、そういった戦争の悲惨さはあまり見られず、寧ろ将として軍隊を指揮するシーンや空戦シーン、軍艦の戦闘シーンが多く「ロマンとしての戦争」(これも批判されそうだなあ…)を描いた作品であるように感じた。
それだけに五十六の死後、焼野原となった東京で玉音放送がこだまするシーンには思わず涙が零れた。
演技、表現:五十六をかなり個性的な人として描いている。家族にも温かく接する人格人として表しつつも、具体的な根拠、データで論説を進め、軍部、官僚の精神論や驕りを喝破する冷静なところも見える。かと思えば故郷の民謡を朗らかに歌い、海戦のさ中に激高した部下を鎮めるために将棋を指す頓狂なところも見える。
心は国を愛し民を救うため、しかしその方法は極めて現実的に、効率よく効果的に行おうとする。食事シーンや将棋シーンで五十六を無能な将官であると見てしまう人がいるけど、それは違うと思うな。
映像:こんなものじゃない?予算的に。でも夜戦での軍艦の砲撃シーンはなかなか良かったと思うよ。少なくとも全体的には見られるレベルだったんじゃないかな。
メッセージ性:かなり戦争を推し進めようとするメディアとそれに簡単に乗せられる民衆を批判していたね。でもその少数の先導者とそれに盲目的に付き従う奴隷=民衆という構図が戦後40年の日本を世界第2位の国にまで押し上げた原動力である、ということを考えるとやりきれない気持ちになる。
最後のシーンで戦中は戦争推進派だった新聞社が戦後は変節して「アメリカの民主主義を見習え」と説いていた。これを屑マスゴミ、とかってバカにするのは簡単だよ。でも菊と刀(その年になって読んでない人は流石にいないよね?)にあるように『敵には徹底抗戦する、然しながら負けた後は直ぐに相手方に歩みよってその良さを理解して吸収する』というのが大政奉還以後の日本の良さだった訳さ。アメリカナイズされながらも上に忠誠を誓ったことこそが、日本を発展させていったんだ。
今年最後に観る映画に相応しい。考えさせてくれる映画は名画。
総評:正しきスパイアクション映画。分かりやすい敵役とその陰謀の阻止、潜入チーム結成、そしててんこ盛りのスパイ道具とアクションシーン。
ストーリーはかなり簡易化されており、整合性の取れないところや伏線じみていて回収されないところもあり、不満な人もいるかもしれない。アクションシーンを繋げてストーリーを作ったって感じかな。「恋人の仇を討ったよ!」「じゃあ次の作戦行こうか」ってドライさが素敵。
映像:流石に金がかかっているだけあって迫力がある。でも今回一番気に入ったスパイ道具は廊下に設置させた幕状のスクリーン。相手の目線を自動測定して偽の映像を作るっていうのがあり得そうで良かった。ボンドカー(笑)とは違う。
・山本五十六 太平洋戦争70年目の真実
総評:邦画の戦争映画としては斬新。良作。
戦争映画というと悲惨な戦争後期の窮乏生活であるとか、軍隊や憲兵を圧倒的悪として描く自虐史観的なものになるのが通例だが(こう書くと直ぐ自慰史観って言われるんだよなあ…)、山本五十六が活躍した太平洋戦争開戦~序盤のものであったため、そういった戦争の悲惨さはあまり見られず、寧ろ将として軍隊を指揮するシーンや空戦シーン、軍艦の戦闘シーンが多く「ロマンとしての戦争」(これも批判されそうだなあ…)を描いた作品であるように感じた。
それだけに五十六の死後、焼野原となった東京で玉音放送がこだまするシーンには思わず涙が零れた。
演技、表現:五十六をかなり個性的な人として描いている。家族にも温かく接する人格人として表しつつも、具体的な根拠、データで論説を進め、軍部、官僚の精神論や驕りを喝破する冷静なところも見える。かと思えば故郷の民謡を朗らかに歌い、海戦のさ中に激高した部下を鎮めるために将棋を指す頓狂なところも見える。
心は国を愛し民を救うため、しかしその方法は極めて現実的に、効率よく効果的に行おうとする。食事シーンや将棋シーンで五十六を無能な将官であると見てしまう人がいるけど、それは違うと思うな。
映像:こんなものじゃない?予算的に。でも夜戦での軍艦の砲撃シーンはなかなか良かったと思うよ。少なくとも全体的には見られるレベルだったんじゃないかな。
メッセージ性:かなり戦争を推し進めようとするメディアとそれに簡単に乗せられる民衆を批判していたね。でもその少数の先導者とそれに盲目的に付き従う奴隷=民衆という構図が戦後40年の日本を世界第2位の国にまで押し上げた原動力である、ということを考えるとやりきれない気持ちになる。
最後のシーンで戦中は戦争推進派だった新聞社が戦後は変節して「アメリカの民主主義を見習え」と説いていた。これを屑マスゴミ、とかってバカにするのは簡単だよ。でも菊と刀(その年になって読んでない人は流石にいないよね?)にあるように『敵には徹底抗戦する、然しながら負けた後は直ぐに相手方に歩みよってその良さを理解して吸収する』というのが大政奉還以後の日本の良さだった訳さ。アメリカナイズされながらも上に忠誠を誓ったことこそが、日本を発展させていったんだ。
今年最後に観る映画に相応しい。考えさせてくれる映画は名画。
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