コクリコ坂から鑑賞 + 荒木先生にあやかってホラー映画紹介その1
2011年7月19日 趣味 コメント (4)
ジブリ最新作『コクリコ坂から』鑑賞。
素晴らしい!!激賞。ゲド苦戦記の失敗を吹き飛ばす渾身の出来。
粗筋
時は60年代の横浜、港町。海外に出た母に代わり下宿屋を切り盛りする少女、海。彼女の通っている高校では、その時小さな紛争が起きていた。
築数十年の文化部部室「カルチェラタン」。その老朽化に伴い解体の話が出ていたのだ。カルチェラタンを巡る騒ぎの中、海は一つ年上の少年俊と出会う。
カルチェラタンの掃除、改修作業によって存続を図る学生運動を通じて、二人の間は徐々に縮まっていく。そんな中突然試練が襲いかかる。
二人は実は兄妹同士なのかもしれないのだ…。
うんたらかんたら。
感想
上を向いて歩こう。非常に綺麗に、清純に、元気に、今を生きて行こうという若いエネルギーにあふれた作品でした。60年代を扱うだけあってノスタルジーを喚起させるような舞台背景、建物だったように思えますが、ただ懐古するのではなく、明日を生きて行こうと背中を押してくれるような清々しい登場人物、ストーリーでした。ここら辺はただ「昔良いよね~」とその場で立ち止まってしまう「allways3丁目の夕陽」とは一線を画す出来でした。
海と俊の淡い恋愛と出自を巡る親たちの悲哀と対象的なのがカルチェラタンを巡る学生運動。雑然としてホモソーシャルな世界だった学生棟が、海の提案により、女子生徒も交えて掃除され、綺麗な建物へと移り変わる。古いものや汚いものは掃除するけど、その精神は決して壊さない。当時盲目的に暴力と虚無へと走った「現実世界」の学生運動への、ユートピア的な批判なのでしょうか。
(カルチェラタンというネーミングも、神田カルチェラタン闘争辺りと比較すると一段とその感はあります)
雰囲気としては耳すまに似ていますが、向こうは逃避的、空想的な感じがしましたが、こちらは地に足をつけ、回りとの関係性の中で成長していく物語でした。
あと、長澤の上手くも下手でもない演技を差し置いても、主人公の海がジブリで一二を争う可愛さでした。(小学生並の感想)
~~~~~
ホラー映画
『荒木うんたら~』読み終えました。是非ホラーファンに、そしてホラーファンではなかった人に読んでもらいたい本なので、内容については触れません。
ここではその章立て毎に、平成ゆとりホラーフリークである私が、夏に視るべきホラー映画について紹介していきます。
なるべく荒木先生とは被らない方向で。
第一回はゾンビ映画。
①ゾンビ映画
一本目
『ドーンオブザデッド』(リメイク版)
総合的に判断して、一番面白いなーと思ったゾンビ映画はこれ。
粗筋
女医である主人公は、ある朝を境に家族を失いショッピングモールに逃げ込む。そこで集まった避難者で協力して、籠城することに決めた彼らだが、じわりじわりと消耗していく生活に嫌気が指し、モールを脱出することに決める。
モールの向かいにある銃器店で武器を調達しながらボートのある湖畔に向かう彼らの計画は、それほど順調には進まなかった。
ロメロ御大は走るゾンビを認めないと云ってるけどね、時代はもうあんたのものじゃないよ。バイオ、ドーン、二八日後みたいな「ゾンビじゃない」ゾンビ映画だって成功してる、ショーンオブザデッドやゾンビランドみたいなゾンビコメディも新たにヒットしてる。ランド、ダイアリー、サバイバルオブザデッドで大コケしたあんたの出る幕はもうない。
ドーン(リメイク)は全体的に戦闘、移動、カーアクション、ガンアクションがスピーディーで、アクション映画的な楽しみが出来る佳作です。
そして何よりOPの「the man comes around」が格好良い!
http://www.nicovideo.jp/watch/sm393210
二本目
『オンエアー 脳内感染』
こちらはかなりマイナーな作品。二〇〇八年カナダ制作。
粗筋
町の小さなラジオ局のパーソナリティーを務める主人公。和やかに進んでいた番組は、朝の天気取材に出かけていたクルーが突然伝え始めた出来ごとにより一変する。人間が人間を襲い、体を引き千切っているというのだ。
クルーは「彼らが何か言葉を発している」と言い置いたまま姿を消す。番組のリスナーからの情報を集める内、町全体が異常事態に陥っていることを知る。
この事態の原因を知っている科学者の情報を掴み、また彼自身の登場によってこの集団ヒステリーの正体を知る彼ら。
人々は暴力の感染しており、それは「言葉」で伝染する。
しかしそれを知った時には、既にスタジオの仲間が感染、続いて科学者までもが感染者となる。
逃げ込んだ部屋の中で、遂には自身も言葉の羅列が止まらなくなり、発症してしまう主人公。「言葉」を理解してしまったから感染したことを悟った彼は、「言葉の意味を失くしてしまう方法」を思いつくのだが…。
概念、言葉が感染する。設定がまず面白い。
そしてゾンビ映画でありながら、幽霊ホラー的な手法「自分の回り、遠くの知り合い」から徐々に自分の身辺へと恐怖が忍びよってくる怖さが冒頭三〇分でとても綺麗に表現されている。
番組クルーの命がけの放送~番組リスナーからの情報収集のところなんかは、視覚情報が無いことで却って恐怖を上手く煽っているね。
落ちが少し弱いけど、画期的な作品であったことには間違いない。
素晴らしい!!激賞。ゲド苦戦記の失敗を吹き飛ばす渾身の出来。
粗筋
時は60年代の横浜、港町。海外に出た母に代わり下宿屋を切り盛りする少女、海。彼女の通っている高校では、その時小さな紛争が起きていた。
築数十年の文化部部室「カルチェラタン」。その老朽化に伴い解体の話が出ていたのだ。カルチェラタンを巡る騒ぎの中、海は一つ年上の少年俊と出会う。
カルチェラタンの掃除、改修作業によって存続を図る学生運動を通じて、二人の間は徐々に縮まっていく。そんな中突然試練が襲いかかる。
二人は実は兄妹同士なのかもしれないのだ…。
うんたらかんたら。
感想
上を向いて歩こう。非常に綺麗に、清純に、元気に、今を生きて行こうという若いエネルギーにあふれた作品でした。60年代を扱うだけあってノスタルジーを喚起させるような舞台背景、建物だったように思えますが、ただ懐古するのではなく、明日を生きて行こうと背中を押してくれるような清々しい登場人物、ストーリーでした。ここら辺はただ「昔良いよね~」とその場で立ち止まってしまう「allways3丁目の夕陽」とは一線を画す出来でした。
海と俊の淡い恋愛と出自を巡る親たちの悲哀と対象的なのがカルチェラタンを巡る学生運動。雑然としてホモソーシャルな世界だった学生棟が、海の提案により、女子生徒も交えて掃除され、綺麗な建物へと移り変わる。古いものや汚いものは掃除するけど、その精神は決して壊さない。当時盲目的に暴力と虚無へと走った「現実世界」の学生運動への、ユートピア的な批判なのでしょうか。
(カルチェラタンというネーミングも、神田カルチェラタン闘争辺りと比較すると一段とその感はあります)
雰囲気としては耳すまに似ていますが、向こうは逃避的、空想的な感じがしましたが、こちらは地に足をつけ、回りとの関係性の中で成長していく物語でした。
あと、長澤の上手くも下手でもない演技を差し置いても、主人公の海がジブリで一二を争う可愛さでした。(小学生並の感想)
~~~~~
ホラー映画
『荒木うんたら~』読み終えました。是非ホラーファンに、そしてホラーファンではなかった人に読んでもらいたい本なので、内容については触れません。
ここではその章立て毎に、平成ゆとりホラーフリークである私が、夏に視るべきホラー映画について紹介していきます。
なるべく荒木先生とは被らない方向で。
第一回はゾンビ映画。
①ゾンビ映画
一本目
『ドーンオブザデッド』(リメイク版)
総合的に判断して、一番面白いなーと思ったゾンビ映画はこれ。
粗筋
女医である主人公は、ある朝を境に家族を失いショッピングモールに逃げ込む。そこで集まった避難者で協力して、籠城することに決めた彼らだが、じわりじわりと消耗していく生活に嫌気が指し、モールを脱出することに決める。
モールの向かいにある銃器店で武器を調達しながらボートのある湖畔に向かう彼らの計画は、それほど順調には進まなかった。
ロメロ御大は走るゾンビを認めないと云ってるけどね、時代はもうあんたのものじゃないよ。バイオ、ドーン、二八日後みたいな「ゾンビじゃない」ゾンビ映画だって成功してる、ショーンオブザデッドやゾンビランドみたいなゾンビコメディも新たにヒットしてる。ランド、ダイアリー、サバイバルオブザデッドで大コケしたあんたの出る幕はもうない。
ドーン(リメイク)は全体的に戦闘、移動、カーアクション、ガンアクションがスピーディーで、アクション映画的な楽しみが出来る佳作です。
そして何よりOPの「the man comes around」が格好良い!
http://www.nicovideo.jp/watch/sm393210
二本目
『オンエアー 脳内感染』
こちらはかなりマイナーな作品。二〇〇八年カナダ制作。
粗筋
町の小さなラジオ局のパーソナリティーを務める主人公。和やかに進んでいた番組は、朝の天気取材に出かけていたクルーが突然伝え始めた出来ごとにより一変する。人間が人間を襲い、体を引き千切っているというのだ。
クルーは「彼らが何か言葉を発している」と言い置いたまま姿を消す。番組のリスナーからの情報を集める内、町全体が異常事態に陥っていることを知る。
この事態の原因を知っている科学者の情報を掴み、また彼自身の登場によってこの集団ヒステリーの正体を知る彼ら。
人々は暴力の感染しており、それは「言葉」で伝染する。
しかしそれを知った時には、既にスタジオの仲間が感染、続いて科学者までもが感染者となる。
逃げ込んだ部屋の中で、遂には自身も言葉の羅列が止まらなくなり、発症してしまう主人公。「言葉」を理解してしまったから感染したことを悟った彼は、「言葉の意味を失くしてしまう方法」を思いつくのだが…。
概念、言葉が感染する。設定がまず面白い。
そしてゾンビ映画でありながら、幽霊ホラー的な手法「自分の回り、遠くの知り合い」から徐々に自分の身辺へと恐怖が忍びよってくる怖さが冒頭三〇分でとても綺麗に表現されている。
番組クルーの命がけの放送~番組リスナーからの情報収集のところなんかは、視覚情報が無いことで却って恐怖を上手く煽っているね。
落ちが少し弱いけど、画期的な作品であったことには間違いない。
コメント
最初めちゃめちゃ悪いやつだったCJが心変わりし、活躍するのがジャンプ漫画的で燃えました
言葉で感染ってかなり斬新ですね。
藤沢は全般的に綺麗過ぎるから好かん
ギ
CJの良さが分かるとはやりおる。2回目の「餓鬼のお守りに行って来る」は本当にイカす。
マ
ラストがもっと丁寧ならゾンビ映画の歴史を塗り替えたかもしれない。
見て損はない。