序に机をバンバン叩きたくなる。唸りながら布団に顔をうずめたくなる。そしてこの感動を分かち合える人間はいない(´・ω・`)
文芸部の癖にSFと民俗学が好きな奴がいないなんて悲しいね。寧ろ普通か。

『菊と刀』読了。こんなに時間をかけて本を読めたのは久しぶり。また誰にも理解されないけど個人的に脳汁噴き出す描写があったので抜粋。

「… 子供は家庭において、超自然的なものに対する態度を学ぶ。神官や僧侶は子供に『教える』ことはしない。そして一般に組織的に宗教に触れるのは、ときおり御祭に行って、参詣者一同とともに神主にお祓いの水を振りかけて貰う場合に限られる。(中略)子供が不断の、かつ最も根強い宗教的経験をするのは、常に、自分の家の仏壇と神棚とを中心にして行われる家庭崇拝である。なかでもひときわ目立つのは家族の位牌を祀る仏像であって、その前には花や、ある種の木の枝や、香が供えられる。毎日そこへ食べ物が供えられる。(中略)夕方には小さな燈明がともされる。人々はよく、よそへ行って泊るのは、このような眼に見えない存在が家を見守っていてくれるという安心感がなく、不安だから嫌だという。(中略)村では鎮守の宮が同様に安全な場所である。それは慈悲深い神がみが鎮座して守護しているからである。母親たちは子供を安全な御宮で遊ばせることを好む。
子供が経験する事柄の内には、なにひとつとして子供に、神がみを畏れさせたり、あるいは、その行為を、人間を裁く、もしくは人間を監視する神がみの意にかなうようにさせたりするものはない。神がみは、神がみから受ける恩恵のお礼として、丁重にもてなすべきものである。神がみはほしいままに権力をふるうものではない…


僅か2頁に亘るだけの短い著述だが、ここまで簡潔かつ正確に日本人の信仰の真髄を捉えられていること、そしてそれらを日本に来ることなく、伝聞と文献からその生活をまるで目で見耳で聞いたかのように活写出来ていることに仰天。

日本人の行動や文化をその深層に位置する思考や気質の分析から評価。菊の優美と刀の殺伐、階層の受容と不服従の同居など、矛盾しそうに見える概念を併せ持つ「日本人」という人種の本質を批判的かつ深く洞察した1冊。
文化とか好きなら本当に読んだ方がいい。良い本です。

読んだ本
4 菊と刀 ルース・ベネディクト長谷川松治訳 講談社学術文庫

コメント

Moon@桜花ゆとり組
2011年1月25日0:51

松山ケンイチがなぜ加藤に配役させられたのか意味がわからないからね…

マイコロス
2011年1月26日15:00

小母さん連中を連れてボロ儲けやな!という魂胆でもあったのでしょうかねえ…

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