現在読書中の『菊と刀』より親への恩愛の定義が出ていて眼から鱗が落ちる思いがしたので以下抜粋。

…だがこの恩という語は、彼の愛情を特に指すのではなくて、彼の母親が赤ん坊時代に彼のためにしてくれた一切の事柄、幼少時代に耐え忍んでくれた数々の犠牲、成人してからも何くれと彼の利益になるように尽くしてくれた一切の事柄、たんに母親が存在するという事実から彼が母親に負っている一切の負目を指す言葉である…

そして人は親に対して感謝を感じるとともに親の期待を叶えられない時に「申し訳なく」思う。これは字義的にもそして心情的にも謙る姿勢がある。これこそが菊と刀で再三取り上げられている日本の「階層的社会構造」なのだなあ、と実感。
西欧化されたと云っても60年前の人類学者が述べた心の在り方が今にも息づいている。何となーく民族性ってものを心で理解出来た気がする。

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